年末ジャンボ攻略法…宝くじ購入の黄金則
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ギャンブル
「年末ジャンボ」はいくら買えば1等が当たるのか
11月21日から、毎年恒例の年末ジャンボ宝くじが全国で発売されている。販売期間は12月19日まで。抽選日は例年通り大晦日の12月31日だ。
1等賞金は年ごとに増額を続け、今年は「1等5億円・前後賞合わせて7億円」となっている。「当たりが出る」として有名な売り場などは連日のように客が列をなし、中にはわざわざ遠くから買いにくる人もいるほどだ。
「雑誌に“今日は縁起がいい。黒い靴を履いて東へ買いに行け”と書いてあったので、朝一番の電車に乗ってきたの。主人の商売がうまくいかないので、宝くじで一発逆転しようと思って……」と語ってくれたのは、静岡から新幹線に乗って上京してきたという主婦。資金は何と30万円というから驚きだが、もっと驚いたのは、すっかり当たる気になっていることだった。
ギャンブルライターが解説する。
「ギャンブルには確率論が欠かせません。宝くじをギャンブルの視点で考えると、この主婦はとんでもない勘違いをしています」
「毎年当たりが出る」とされる有名な売り場は数多く、西銀座チャンスセンターなどが代表的だが、「毎年当たりが出る」のは、単純に「発売枚数が多いから」にほかならない。
宝くじとは、控除率約50%のギャンブル。期待値で考えると、1等賞金の倍額買って、1等の期待値がおおよそ100となる。つまり、有名な売り場は1等が出るだけの発売枚数があるというだけのこと。有名な売り場で買おうと近所で買おうと的中確率は変わらず、わざわざ新幹線代をかけるなら、交通費を宝くじ購入費に回したほうがまだマシだ。
「それでも的中確率はほとんど変わりません。1等賞金が5億円の年末ジャンボの場合、倍の10億円買って、ようやく『1本的中するかどうか』のレベルに達する計算になります」
30万円分を買っても1等的中にはほど遠い
たかが30万円では、1等の期待値は「3,333分の1」にしか縮まらない。3千円分買った場合(333,333分の1)の100倍、3万円分買った場合(33,333分の1)の10倍ではあるものの、それでもまだ当たりにはほど遠い。例えるなら、箱の中に3,333個あるボールのうち、1個だけある「1等」を、手探りで選ぶようなものだ。
競馬ライターが語る。
「16頭立ての競馬の3連単(1着、2着、3着を着順通りに当てる馬券)の組み合わせ総数が3360通りですから、年末ジャンボを30万円買った際の的中確率は、16頭立ての3連単を1点買ったときに近いですね。
宝くじと異なり、馬券の場合、出走馬ごとに『目に見えない』的中確率が存在します。それがブラックボックスだからこそ競馬は成り立つわけで、当たりハズレに『考える余地』があるのです。このあたりは株式投資と同じですが、宝くじは文字通り“運”でしかなく、攻略法が存在するとは思えません」
購入日時や場所、購入時の方角や服装などのジンクスは「まやかし」や「思い込み」でしかないわけだ。
少しでも確率を高めたいなら「ナンバーズ」と「LOTO」
もっとも、少しだけだが考える余地のある宝くじも存在する。数字選択式の「ナンバーズ」と「LOTO」である。
前出のギャンブルライターが語る。
「たとえばナンバーズ4の場合、数字の組み合わせ総数は0000~9999の1万通りですが、選ぶ数字により、1等賞金にかなりの差が生じます。なぜなら誕生日買いをする人が多く、0101から1231までの366通りは、ほかの数字と比べて安くなるからです。1234や7777なども同じですね。
また、かつて病原菌性大腸菌のO157が流行った際、0157がかなり売れましたが、売れる数字ほど的中時の賞金が安いため、バースデー数字やゾロ目、流行の数字などは避けるべき。どの数字を選んでも当たる確率が同じなら、人が選ばない数字をチョイスしたほうがいいわけです。その意味でも、よく雑誌などにある『この数字が来る』なんていうのは、選ぶべき数字じゃないんです。僕の場合、LOTO6、LOTO7では、ラッキー7よりも、日本人が忌み嫌う4や9、13などを塗っています」
もう一つ、数字選択式で得なのがキャリーオーバーだ。
「ナンバーズ4やLOTO6、LOTO7で時折発生するキャリーオーバーはもちろん狙い目です。キャリーオーバーの分だけ、実質的な控除率が下がるからです」
宝くじの「連番」と「バラ」はどちらを買うべき?
それでも、年末ジャンボで一発逆転したいという方のために。連番とバラなら、どちらを買うべきだろうか。
「前後賞の意味を考えればもちろん連番です。3千円ぐらいならまだしも、購入資金が高ければ高いほど連番が意味をもちます」(ギャンブルライター)
不況の昨今、一獲千金を夢見る多くの人が宝くじ人気を支えているが、いくら買っても当たらないからこそ宝くじであり、億万長者になるのは「夢のまた夢」。3千円や1万円ぐらいで夢を見るのが、ちょうどいいのかもしれない。
(取材・文/後藤豊)