相棒350万、マッサン60万…民放とNHKの俳優ギャラ格差

デイリーニュースオンライン

マッサンでの演技が評判の玉山鉄二
マッサンでの演技が評判の玉山鉄二

 12月9日発売の「フラッシュ」(光文社)では、「芸能人のギャラ」が大々的に掲載されている。同誌によると、視聴率好調の『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の主演・米倉涼子(39)は、1話500万円。月9ドラマ『信長協奏曲』(フジテレビ系)の小栗旬(31)は、1話180万円。『相棒』(テレビ朝日系)の水谷豊(62)は、1話350万円と、高額なギャラが並んでいる。

 その中で気になるのが、NHKのギャラだ。大河ドラマ『軍師官兵衛』(NHK)の岡田准一(34)は、1話50万円。連続テレビ小説『マッサン』の玉山鉄二(34)は、1話60万円と、民放とはかなり差があるのだ。

NHKが格安ギャラの理由

 NHKのギャラが安いというのは、テレビ業界では有名だ。テレビ関係者が語る。

「NHKといえば紅白ですが、紅白でさえギャラは最多出場の大御所歌手であっても50万円がいいところ。民放レベルのギャラが支払われるということは、まずないですね」

 しかし、芸能人にとって“NHKの番組に出演する”ことは、ギャラ以上の意味を持っているとも。

「NHKは全国どこでも見ることができ、幅広い年齢層へのアピールになります。芸能人にとっては、ギャラ以上に“NHKに出演したと”いう事実が大切。NHK出演すると、それ以降の営業で如実に差が出るようですから」(同前)

 知名度やイメージを大切にする芸能人。彼らにとってNHKは飛躍をするための踏み台であって、ギャラを当てにはしていないようだ。

 ただし、最近はその傾向も変わりつつあるという。

崩壊を迎えつつあるNHK神話

「NHKが強固なブランドであることは間違いありません。しかし、放送網がしっかりしてきて、民放であっても視聴できる地域が増えた。また、ネット放送、有料放送など多チャンネル化が進んでいる。NHKの力は一昔前に比べればだいぶ陰りが出てきています」(前出の関係者)

 その陰りの影響は、すでに出ている。芸能事務所の中には、スケジュールが重なった場合、NHKの出演より民放を優先するところが増えているのだという。NHKなら誰もが出たがる時代ではなくなってきているのだ。

 こうした変化を受けて、NHKの番組作りに変化が見え始めていると指摘するのは、別の放送関係者だ。

「以前のNHKには、『上質な番組なら視聴率が悪くてもいい』という雰囲気がありましたが、今や受信料を払うことへの視聴者の不満や、大御所をキャスティングしにくくなってきた現状など、色々と不都合が生じてきた。数字を稼がないとNHKが終わってしまうと、局内で危機感が相当高まっていて、本気で視聴率を狙う方向にシフトしているようです」

 これまで公共放送として揺るぎない地位を保っていたNHKだが、メディアが多様化してきた今、大きなターニングポイントを迎えているようだ。我々視聴者としては、受信料に見合ういいコンテンツをたくさん作ることを期待するのみである。

(取材・文/タナカアツシ)

「相棒350万、マッサン60万…民放とNHKの俳優ギャラ格差」のページです。デイリーニュースオンラインは、紅白歌合戦テレビ番組芸能エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧