舛添都知事に政治資金キックバック疑惑が浮上…その素顔は

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舛添要一オフィシャルブログより
舛添要一オフィシャルブログより

【朝倉秀雄の永田町炎上】

 谷亮子議員のヘアメイク代、三原じゅん子議員の舞台チケット代、山藤昭子議員の将棋セットレンタル代、つい最近では小渕優子議員の下仁田ネギなど、政治資金の使い道としてはどうかと思うものが多いが、なかでも傑作だったのは、かつて「事務所費」として女性秘書のキャミソールを買い政界の笑い者になった菅内閣時代の荒井聡内閣府特命担当大臣の例だろう。今回の選挙ではしぶとく比例でひろわれたようだが……。

政治資金の私的流用は政界の常識

 だが、先月末、その荒井元大臣も「俺より面白い奴がいるわい」と目を丸くする漫画のような話が浮上した。その御仁の名は——徳洲会から5千万円ものカネを借りて辞任に追い込まれた猪瀬直樹知事の後を受けて今年2月に都知事になったばかりの舛添要一氏である。

 国際政治学者にして元東大助教授。日本屈指の知性派(?)政治家である舛添氏がまだ参議院議員だった平成25年、彼が代表を務める政治団体「グローバルネットワーク研究会」が、調査研究費のなかの「資料代」の名目で水彩画を購入していたという。政治資金収支報告書によれば、美術品の購入費として計174万円7188円を支出。

 当人は報道陣の質問を受けるや、例の全頭部が禿げ上がった怪異な容貌に傲慢さをみなぎらせ、「政治活動の資料にしている。購入品が美術品か資料かは解釈の違いだ」などと居直っているのだが、水彩画が政治といったいどんな関係があるのか、健全な常識の持ち主にはさっぱり理解できない。だいいち、そんな言い分が通るなら、政治資金は宮沢大臣のようにSMバーの費用はおろかどんなことにも使えてしまう。

美術品も漫画も政治の資料だと言い張る

 何よりもふざけているのは、「グローバルネットワーク研究会」が平成23、24年の両年に、調査研究比のうちの「資料代」「書籍代」として約900万円もの大金を使い、掛け軸などの美術品だけでなく、漫画やクイズ本までも買い漁っていることだろう。

 漢字が読めない麻生副総理兼財務相が『ゴルゴ13』の愛読者なのは政界では知られた話だが、舛添氏が買ったのは『クレヨンしんちゃん』。

 桝添氏によれば、「漫画やクイズ本は、『子どもがクレヨンしんちゃんの悪い言葉遣いを真似して困る』『子どもがクイズばかりやって勉強しない』などとの陳情を受け、内容確認のために買った」というのだが、舛添氏のような男が得にもならないことにそんな熱意があるとも思えず、筆者には見苦しい言い訳としか思えない。おそらく、『クレヨンしんちゃん』を眺めながらバカ笑いでもしていたのではあるまいか。

妻が代表を務める企業に政治資金をキックバックか

 舛添氏の「高度な知能」はカネのために最大限に稼働するようだ。11月末に総務省が公開した政治資金収支報告書によると、彼は平成25年に自分が代表と支部長を務める「グローバルネットワーク研究会」と「新党改革比例区第四支部」の2つの団体から、家賃として計531万円を自分の妻が代表を務める「株式会社舛添政治経済研究所」なる会社に支出。

 さらに「舛添要一後援会」も平成22年1月から25年までの4年間にわたり同社に「家賃」を支払い、3つの政治団体で計2047万7000円ものカネが流れ込んでいることになる。

「株式会社舛添政治経済研究所」は、実質的には舛添氏個人と一体だから、同社をトンネルにして政治資金を自分に還流させているとも考えられる。

 舛添氏は11月27日の外国特派員協会で行なわれた会見で、記者たちの質問に対し「時間の無駄だ。税務署で聞け!」などと偉そうに振舞っているが、もし舛添氏のような手法が許されるなら、政治資金をいとも簡単に自分の懐に入れることができ、公私の区別がつかなくなってしまう。

武闘派で好色漢…… 知性派とは裏腹な“オス度”の高い素顔

 筆者は、現職の政策秘書時代に、参議院の政策審議会の勉強会などで、まだ新米議員だった彼と何度か一緒になったことがあるが、かなりエキセントリックな性格のようにお見受けした。

 その言動は「野性」を無理やり押し殺しているといった印象。それもそのはず、舛添氏の趣味はサバイバルナイフの蒐集だ。20本くらい持っているというのだからまったく物騒な話だが、政治資金で買わなかったことだけは誉められよう。

 そんな闘争心のかたまりのような男だから、本質的に“オス度”が高く、「歩く生殖器」と呼ばれるくらいの好色漢。これまでに三度も結婚し、愛人との婚外子を含め子どもが5人もいるのだから、まさに「少子化時代の救世主」ともいうべきだろう。

 2番目の妻だった片山さつき参議院議員とは昭和61年に結婚したが、3カ月にして早くも夫婦生活は破綻。

 犬も食わない夫婦ゲンカのことだから、真偽のほどは定かではないが、片山氏の主張によれば、理由は舛添氏の奔放な女性関係とDV(家庭内暴力)だという。大蔵省のキャリア官僚だった片山氏仕事で遅くなると「遅く帰ってきやがって」と逆上し、怒鳴る、物を投げつける。「サバイバルナイフをずらりと並べ、刃先を私に突きつけた」というのだから、もし事実なら、やはりかなりの「武闘派」だと言えるだろう。

 おそらく桝添氏は「ランボー」気取りだったのではあるまいか。もっとも、相手が凶悪なテロリストではなく、か弱い(?)女性であるところがいかにも彼らしいのだが……。

朝倉秀雄(あさくらひでお)
ノンフィクション作家。元国会議員秘書。中央大学法学部卒業後、中央大学白門会司法会計研究所室員を経て国会議員政策秘書。衆参8名の国会議員を補佐し、資金管理団体の会計責任者として政治献金の管理にも携わる。現職を退いた現在も永田町との太いパイプを活かして、取材・執筆活動を行っている。著書に『国会議員とカネ』(宝島社)、『国会議員裏物語』『戦後総理の査定ファイル』『日本はアメリカとどう関わってきたか?』(以上、彩図社)など。
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