桑田佳祐の”チョビ髭”を朝日新聞が過大評価!?|プチ鹿島コラム

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桑田佳祐の”チョビ髭”を朝日新聞が過大評価!?|プチ鹿島コラム
  今週の、というか年明けのオヤジジャーナルで「へー」と思ったのがこの記事。
【サザン「ピースとハイライト」は政権批判? 解釈で波紋】(朝日新聞・1月6日)

 確かに大晦日・紅白での桑田佳祐の「チョビ髭」プラス「ピースとハイライト」は面白かった。だから私は「桑田佳祐のチョビ髭の意味を考えるだけでプロレス者は年を越せます。」とツイートした。

 ここで言うプロレス者とは「必要以上の深読みをしたり想像を楽しむ者」のことだ。

 桑田佳祐のチョビ髭は誰かを茶化したのかもしれないし、まったくそうでないのかもしれない。想像は自由だ。プロレス者はあのネタだけでおいしいお酒を飲める(実際飲めた)。

サザンは日本に対するヘイトソングを歌ったのか?

 しかし朝日新聞の記事によれば、ツイッターなどには桑田佳祐の「解釈」を巡って賛否の投稿が相次いだ、という。
《「安倍政権の極右旋回へのプロテスト(抗議)と戦争への危惧」「素晴らしい(安倍政権への)カウンターソング」。一方では「今後一切サザンは応援しない」「日本に対するヘイトソング歌う為(ため)に紅白でたわけか」というツイートも。》

 あのチョビ髭を見て私は「桑田佳祐がまたにぎやかしている」「お祭り男だな」とお茶らけを楽しんでいたのだが、記事を読む限りネットで桑田は「敵か味方か」「支持するかしないか」という大変な雰囲気になっていた模様。

 この記事が出る前、私は年明けの自分のメルマガで、
《桑田佳祐のメッセージが(仮にあったとして)、それがどんな意味だろうとどうでもいいんです。それより桑田佳祐はいったいどんなつもりでやったんだ?と視聴者に謎を投げかけ、本人はご機嫌に「ありがとうございました~」と終わった姿がよかった。これ、すぐに正解を求めてしまう我々に対しての痛烈な皮肉でもあります。「想像を楽しめばいいじゃん」という。》
と書いた。

 桑田の仕掛けを想像して楽しめばそれでいい、もしかしたら本当に何の意味もなかったのかもしれない、騒がれるのが目的の愉快犯だったのかも、と。いろんな推測が成り立つ。答えはないほうが面白いのだから。

 しかし今回は、政治が絡むとそれぞれ敏感になってしまうという好例だったのだろうか。そもそも記事を書いた朝日新聞だってそうだ。「桑田チョビ髭」が特集記事になるという驚きがあった。朝日もどこか「安倍首相にカウンターを食らわした」と「過大評価」していたのかな? とも感じた。

 そしたら1月8日の朝日の夕刊の短文コラム「素粒子」がこう書いてきたのだ。
《ヒトラーばりのちょびひげで紅白に登場した桑田佳祐さんに称賛。毒にいたらぬカフェインほどの刺激とはいえ。》

 どうしても深刻に、真面目にはしゃいでしまう。ただのチョビ髭じゃねえか、こんなもん。

著者プロフィール

putikashima

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。

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