「恥辱写真をグループ公開」LINEを利用した自衛隊イジメの実態

デイリーニュースオンライン

自衛隊内でのイジメ問題は深刻なようだ
自衛隊内でのイジメ問題は深刻なようだ

「トロくさい同期が寝たのを見計らって、エロ本で元気つけて、そいつの顔に精液をかけたこともあったね。他にも靴で頭を叩いて起こして逃げる。ベッドに掛けている作業服を隠す。イジメは虐められた側にとっては苦痛かもしれない。でもイジメた側にとっては微笑ましい青春の1ページだね」

 現役の海上自衛官・池田芳雄氏(仮名・40代)は、中学校卒業後、少年自衛官として第1術科学校生徒部(広島県江田島市)に在籍した4年間の自衛隊生活を振り返りこう話す。

「俺が少年自衛官当時、同期間でのイジメはしてたよ。まあ、イジめられるヤツも大概なんだけどね。理屈っぽくてトロくさいヤツだな。どこの自衛隊でもある話でしょ」(池田氏)

 自衛隊内では、さほど珍しくはないという“自衛隊のイジメ”とはいかなるものなのか。そこには国防を預かる崇高な理念とは程遠い実態が見えてくる。

イジメの様子をLINEで流す

「自衛隊では約20年前から体罰厳禁が徹底している。だからイジメも暴力を伴うものはまずない。そんなことするとやられたほうがチクりかねないからな。変わりに、やられたほうが、上司やマスコミにタレ込めないようなイジメが多くなっている」(同)

 世相を反映してか、近年の自衛隊のイジメは人格を否定するような罵倒や、性的内容を含むものに集中するという。

「2014年、防衛大の発覚したイジメでは、除菌スプレーを陰毛にかけて燃やすという行為がありましたよね。あれなど俺に言わせるとまだ甘い。自衛隊の部隊では、燃やしてその後、剃るんだよ。で、それを仲間内でネタにするというわけ。『あいつ今、小学生だぞ』ってね。ま、それだけでは済ませないけどな」(前出・同)

 池田氏は、イジメのターゲットが上司やマスコミへのタレコミを行なわせないよう、陰毛を燃やした箇所をかならず顔入りで写真撮影、それを仲間内でLINEで流すという。場合によっては、あくまでも“自発的に”口淫を行なわせ動画を撮影し、その際、「私は自発的に池田1曹に口淫させて頂きます」と言わせる。あくまでも合意の上の行為だとする。万が一、外部に漏れた際の措置だ。LINEに流すのも理由がある。

「Facebookやmixiで流すと知らないところで外部に漏れて、こっちがヤバいだろ。でもLINEなら仲間内だし、仮に外に漏れても誰がチクったかわかるじゃねえか。まず外に漏れることはないけどな。それが自衛隊の結束だ。防大が発覚したのはそういう点でも甘いんだよ」(同)

 なお、今回の池田氏とは別の案件では、Youtube上に防大生間でのイジメの様子がアップされていたこともあった。

女性幹部も格好のイジメターゲットに

 海自内では、ちょっとした“名士(多少、からかいの意味を込めた有名人の意味)”である池田氏はイジメを行なった後のケアも怠らない。

「かならず、『お前は俺たちの仲間だ。裏切ったらわかってるだろうな』と釘刺すんだよ。仲間と思われているってことを強く意識させれば、まず辞めないね」(同)

 こうして池田氏は少年自衛官時代から40代半ばを迎える現在まで、自衛隊入隊同期、部隊配属後は気の弱そうな部下隊員の他、上司、先輩もイジメ倒したという。

「大卒の女の幹部(将校)は格好のイジメのターゲットだったね。仕事では徹底的に無視して、そいつの指示は“なかったこと”にする。うちら下士官が動かないのは幹部の責任。そいつの指導能力が問われることになる」(同)

 自衛隊は幹部(将校)と曹士(下士官兵)の厳然とした階級社会という建前だが、高卒入隊した自衛官が幹部を目指さず下士官で留まって定年退職を目指すのは“重い責任”を背負うことなく、平日は9時5時の定時勤務が出来るからだという声を少なからず耳にする。

「女でも男でも、階級が上のヤツをイジメた場合、ある段階を越えると、こっちから掌を返す。そして擦り寄る。出世して俺の上司になられるとどんな仕返しをされるやわからねえからな」(同)

 言うこと、なすこと、そのすべてが“イジメのプロ”ともいえる池田氏だが、数々のイジメの目的は、「職場でのコミュニケーションの一環」だと真顔で語る。

 2010年のデータでは自衛官の退職者数は合計1万3228名。うち中途退職者数は5084名で、3分の1以上が中途退職するのだ。このなかには、イジメによって辞めていく人も決して少なくないのだ。

(取材・文・写真/佐津川遼)

「「恥辱写真をグループ公開」LINEを利用した自衛隊イジメの実態」のページです。デイリーニュースオンラインは、いじめスマホ自衛隊出会い社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧