【CES2015】日本発の注目製品「Listnr」開発者インタビュー

デイリーニュースオンライン

「Listnr」が展示されていたCerevo社の出展ブース
「Listnr」が展示されていたCerevo社の出展ブース

 1月6日、米国ラスベガスで国際家電ショーのCES2015(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー2015)が開幕した。同イベントは家電の枠を超えた史上最大規模の見本市で、世界各国から3600社以上が出展している。その中でも、とりわけ注目を集めていたのが日本発の新製品「Listnr」だ。

 同製品は赤ちゃんの泣き声や手拍子などの音で、さまざまな家電をコントロールしたり自分のスマホに通知したりすることができる新デバイス。詳しくは以下のニュースリリースをご覧いただきたい。

Cerevo、クラウド型リスニング・デバイス「Listnr」をInterphenomと共同開発

 実用例としては、赤ちゃんの感情を外出中のパパに通知したり、「hue」というネット対応電球との連携が挙っており、多様な使い途に期待が集まる。さまざまなメディアでも取り上げられ、その注目度の高さが伺い知れるだろう。

新デバイス「Listnr」は、常時「音を聞く」プラットフォーム

Cerevoが音声解析するリスニングデバイス「Listnr」をInterphenomと共同開発、CES出展とKickstarterの掲載を開始

 また、興味深いのはAPI(ソフトの接続機能)を公開している点。これは、開発者が独自に創った製品との連携が可能なことを意味している。CES2015の来場者からも、「赤ちゃんの感情が分析できるなら、ベビーシッターの評価を行うサービスが開発できるのでは」などのアイディアが聞かれた。

 今回、CES2015に出展した「Listnr」は、インターネットと連携した家電を開発する秋葉原の企業で、プロトタイプの開発に協力しているCerevo社のブースで展示されていた。その出展ブースで、プロジェクトリーダーの江原理恵氏にインタビューを敢行。「Listnr」の開発秘話を話してくれた。

プロジェクトリーダーの江原理恵氏(写真右)にインタビューした

成功するかどうかは意志の問題!

 インターネット上小口資金調達サービス(クラウドファンディング・サービス)のKickstarterで資金を募り始めたのが、CESの開催日と同じ1月6日。

Kickstarter/Listnr: Your Listening Assistant

 同サービスを利用して資金集めに成功し、CESに出展する企業は最近よく見かけるが、こんなにも早い段階から出展するケースは極めて稀。この点について江原氏は「資金が限られるこのようなベンチャーだからこそ、最大の効果を目指した。ただ、その結果、ネット上とブース運営への対応を同時に迫られ、全く眠れない」と、打ち明けてくれた。

 Cerevo社を含むチームは、株式会社DMM.comが秋葉原に設立した最近話題のものづくり施設、「DMM.make AKIBA」を拠点に活動しており、成功すれば第一号の事例となる。そうなると、CESだけでなく日本のものづくり界隈にとっても注目のケースとなってくる。

 江原氏は「クラウドファンディング側は今まで自分が築いて来た人間関係に助けられて進めている部分が多い」と前置きしつつも「ものづくりを任せる場所と仲間を探す心配がない」と、クラウドファンディング・サービスの利点を指摘。資金集めから始まった今回の製品を成功させる為の戦略を伺うと、「関係者全員が絶対に成功させるという意志を持つこと」とストレートな回答が返ってきた。というのも、「クラウドファンディングはネットを通じて制作者の本気度が簡単に伝わってしまう。そのため、気を抜く余地がまったくない」とのことだ。

 インターネットに24時間本気を伝え続ける、それは確かに眠れそうもない。大変だと思いますが無事日本に帰って来てくださいね!

(取材・文・撮影/喜多村真)

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