大阪都構想で価格改定は必至…市職員が危惧する「値上げ行政サービス」はこれだ!

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大阪都構想で大阪市民の負担は増えるのか
大阪都構想で大阪市民の負担は増えるのか

「橋下市長が今度は市役所職員の情報統制やて。ホンマ、やることなすこと、政治家として姑息やで。それにまた拍手喝さいを送る市民は、それがいずれ自分にどういうしっぺ返しを食らうかわかってへん──」

 本サイト1月22日付の記事での取材に応えた大阪市のA係長(30代)はこう述べる。記事が配信された翌日、橋下徹大阪市長は大阪都構想の2017年4月実現に関し、大阪市職員が報道機関からの取材に「実現は無理」「実現は遅れる」などの感想をマスコミに口外しないよう市役所内で通達を出したからだ。

「そもそも市職員は市長に雇われているんやない。大阪市に雇われてるんや。行政ちゅうのは首長が民意を受けて市役所に乗り込んできたところで好き勝手できるもんやない。市長が右向けゆうたら市職員みんなが右向くような役人やったら公務員なんてホンマ楽な商売やわな。単純作業や。ま、市長もそういう市職員を望んでるんやろ」(大阪市A係長)

 このA係長は大阪都構想が実現すると「財政状況のよい大阪市が、財政状況のよくない(大阪市以外の)大阪府各市の穴埋めをする」ことから今の大阪市民の税金が跳ね上がる可能性が高いと示唆している。

今後は保育料や学校給食も値上げになる!?

「もっとも生活保護受給率が全国的にも高く非課税世帯の多い大阪市民にとっては税金が跳ね上がるといってもピンと来ないかもしれない。生活保護受給者にとってはケースワーカー(市役所職員)に生活を見張られているような感覚を持っている。これら非課税世帯にとっては市役所職員を叩いて『どうやボクちゃん正義の味方でっせ!』と選挙民である市民に媚を売って票を入れてもらう劇場型政治でしょ」(同)

 大阪市では橋下市長就任以降、それまで無償交付だった高齢者への市営交通機関(市バス、地下鉄など)の「敬老優待乗車証」が有料化、毎年3000円の負担金を強いている。加えて高齢者世帯等一部世帯及び社会福祉施設を対象とする水道・下水道料金の減免措置も市政改革の名の下に廃止された。

「市役所の市長部局では、保育所の保育料の値上げや学校給食費の値上げ、それから普通ゴミの有料化が検討されている。大阪市行政の力でこれらは現行では市民にさほどのご負担を強いてへん。でも橋下に入れ込んで市民は行政が何をゆうても橋下に拍手する。市民を煽ったマスコミと、大阪に住んでない野次馬ネットユーザーの責任も大きんとちゃう?」(同)

 大阪市の“真の市役所改革を目指す市職員”たちはこう見立てる。現在、市役所内で検討に入っているというこれら行政サービスの値上げ・有料化は、「現行の大阪市のうちに決定し、その後、大阪都構想が実現するとさらにどさくさに紛れて値上げするだろう」(同)というのだ。

西成や飛田など「タブー」に手をつけるなら認める!

「市民の生活に大打撃を与えかねない橋下の政策を、大阪市民の民度ではとても理解出来るとは思ってへん。この前なんか、川沿いのアパートの窓から川に向かって生ゴミ捨てよるアホ市民も見た。それでもうちの市民や。その生活を守るのが市職員や! 何でそれがわからへん!」(同)

 激高するA係長は時に机を叩いて力説するが、「うちら市職員は、例えば橋下が西成のあいりん地区や飛田新地を再開発の名の下に区画整理するとか、これまでタブー視されていた問題に進退をかけて手をつけるゆうんやったら積極的に知恵を出す」と自身の心情を明かす。

 こうした市職員の声に橋下大阪市長はどう応えるのか。今年5月の大阪都構想に関する住民投票までまだ時間はある。大阪市民にとってよりよい未来となる議論がなされることを期待する。

(取材・文・写真/川村洋)

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