【K-POP】CODE-V新体制に見る「日本マネー」の旨み

デイリーニュースオンライン

CODE-Vオフィシャルサイトより
CODE-Vオフィシャルサイトより

 2月18日(水)にニューシングル『Spring Love』がリリースされ、5月からは3rdアルバムのライブハウスツアーが予定されているK-POPボーカルグループ「CODE-V(コード・ブイ)」。オリジナルメンバーの4人は現在(2015年2月時点)兵役中で、今は昨年に加入した新メンバーの2人体制で活動中である。

 オリジナルメンバー全員を欠いてまでグループ活動を継続させる、そこまでの人気や知名度があるとは思えないのだが……。

兵役の入隊・除隊さえファン向けビジネスに

 ご存じの通り、韓国人男性には兵役義務がある。実は、韓国は北朝鮮と未だ戦争中であり、現在は「停戦中」の状態。いつまた開戦するかわからないという状況下だ。それだけに、オリンピックや世界大会で活躍したアスリートやサッカー選手、芸能人や大企業のご子息などの兵役が免除されたり、兵役期間が短縮されたり、「それ、兵役前と変わらないのでは?」というようなゆるい“芸能兵役”(※)に就いたりする特例は、19〜29歳の若い時分に2年間も軍隊生活でシゴかれる一般人からの反感を買いやすい。

 こういった事情もあり、韓国において、兵役という2年間の“世間にとっての空白”は特にアイドルにとっては引退と等しいものだったが、日本のマーケットでK-POPが小金を持ったF2層(Female-2/35歳~49歳の女性)の心をとらえてからは、状況は様変わりした。

「いつまでも待ってるわ」というファンが増えたことによりアイドルとしての寿命が伸び、入隊・除隊は「サヨナラ」「おかえり」イベントと化した。その入隊をファンが“お見送り”する、強行軍の(そして値段的にもお高い)ツアーが開催されるまでに至っているのだ。

 韓国の熱心なファンが自力で入隊のスケジュールを調べ上げて個別に“応援”に行くことは昔からあったが、これがある種のイベントとして有名になったのは、2011年に「超新星」のリーダー、ユナクの入隊お見送りツアーを開催した近畿日本ツーリストの企画からだろう。

 このように「とにかく、なんでもイベント仕立てにして金を稼げ!」という手法は、日本のマーケットに向けた作戦である。超新星など、本国の韓国ではまったく人気がないどころか「あなたたち誰?」という程度の低い知名度なのに、日本ではコンサートはホールクラスでの開催であり、日本からの「入隊お見送りツアー」が成り立ってしまうほどなのだ。

 いつの間にか「節分には恵方巻き」が商売として定着したように、なんでも金を儲ける手段になり得るということの見本のようなものだと言えよう。

まだまだ美味しい“ジャパンマネー”

 前述の通り、CODE-Vにおいて現在活動中の2人は2014年に急遽加入した新メンバーである。この2人は、4人のオリジナルメンバーが兵役で全員出払ってしまう事態を受けて、グループ存続のために追加されたようなものだ。もはや、これはCODE-Vであると言えるのか?……と、元来のファンはツッコみたい気持ちかもしれない。

 CODE-Vの日本デビューは2012年だが、2013年には当時メンバーだったジュウォンが、元交際相手の韓国人女性から人間性の酷さを暴露される騒動を起している。

 暴露された内容とは、元交際相手の妊娠・流産、ヒモのような生活ぶり、それに反日的な言動など——たとえば3.11の東日本大震災のチャリティーイベント出演後に「また大きな地震が来ればいい」などと発言したことが明るみに出、同メンバーが謹慎の末に脱退するという結果を招いた。そうでなくても韓流ブームも失速し、むしろ嫌韓な雰囲気が色濃く漂い始めたなか、ダーティなイメージを決定づけたのである。

 CODE-Vはこのままフェードアウトかと思われたが、日本全国47都道府県全てでライブをし、2013年12月には武道館でのワンマンライブも実現するなど地道な活動を続けていた。

 残ったオリジナルメンバー全員を兵役に送り出し、新メンバーを追加してグループ存続を図ったのは日本マーケットを手放したくないからこそ。今回リリースされる新曲も、MVがYouTubeにアップされるや、日本のファンの好意と期待をもって迎えられている。

 一時期のブームは去ったとはいえ、やはりK-POPにとって“ジャパンマネー”はまだまだ美味しいのである。

※……芸能人のための、いわば“優遇措置”。かつて、有名芸能人と軍隊に認められた人物は一般的な国防任務の代わりに「芸能兵」と呼ばれる部門に配属され、芸能活動を通じて軍の広報活動や慰問公演を担うことが多かったが、韓国国防省はこの制度を廃止すると発表した。

(文/ヨコヤマユー子)

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