5年で10%超カットも… 給料激減で地方公務員が生活破たんか

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「安定神話」は崩壊している(写真はイメージです)
「安定神話」は崩壊している(写真はイメージです)

「就職できれば一生安泰」──そんな風にいわれた公務員だが、今や昔のことのようだ。地方公務員の給与が、ここ10年ほどの間で激減しているのだ。

 2013年(平成25年)の地方公務員給与実態調査によると、一般行政職の平均年収は633万8000円(勤続22.1年)で、5年前と比べて47万2000円も減っている。さらに10年前と比べると78万5000円も減っているのだ。

 警察職では、平均年収732万1000円(勤続20.1年)で、5年前の81万8000円減、10年前の148万7000円減。さらに教育職(小中学校)では平均年収679万5000円(勤続22.5年)で、5年前の92万4000円減、10年前の103万6000減と、特に下落ぶりが目立っている。

年収300万円未満を理由に彼女にもフラれる

 西日本の某市の上級職採用試験に合格し、市役所で勤務している男性(25歳)は自身の境遇についてこう話す。

「勤続4年目になるのに、月の手取り給与は今でもギリギリ20万円です。外食なんて高嶺の花なので、職場の仲間との飲み会はもっぱら家飲みです。ただ、田舎なので夜11時過ぎるとバスもない。かといってタクシーにも乗れず、1時間近くかけて歩いて帰るのが習慣です。ちなみに隣接した政令都市に就職した大学の同期に聞けば、ぼくの給与と2割近い開きがある。自治体によって、地方公務員の給与格差はかなり大きいと思います」

 また、この男性によると、薄給のあまり婚活も満足にできないという。

「SNSで知り合って2か月ほど交際していた女性に、収入について告げた途端、『え!? 大人の男の人なのにそれだけしかないの!』って絶句され、音信不通になりました……。公務員と結婚して安定した家庭を築きたかったんでしょうけど、年収300万円台と聞いて『話が違う』と思ったんでしょうね」

 しかし、もっと苦しいのは既婚者の方だ。中部地方の公立中学校教員の男性(38歳)は話す。

「公務員というだけで、昔はいくらでもローンが組めたんですよ。というより、どこの銀行も『ぜひうちで組んでください』という感じだった。新婚だった12年前、月の手取りは25万円程度だったんですが、『公務員の方は年齢とともに順調に収入が増えるので、最初は苦しくても思い切ったほうが、資産形成上、有利です』などという行員の言葉に乗せられ、頭金ほぼナシで4000万円を借り入れてマンションを購入しました。こうして毎月15万円の返済を30年間続けることとなった。しかし、実際に給与が順調に増加したのはそれから3年程度で、30代になってからは給与はほぼ平行線状態。子どもの教育費も嵩んできて、ローンが苦しくなっていく一方でした。一昨年、震災復興のための地方交付税削減でさら給与がカットされたことを機に、泣く泣くマンションを売却しました。今は、家賃9万円の賃貸マンションに住んでいます」

妻に嘘をつき、こっそりアルバイト

 一方、生活苦の中、禁止されている副業に手を染める公務員も少なくないようだ。関東某県県庁の土木管理課に務める男性(40歳)は話す。

「子供2人を私立のエスカレーター校に入れた5年ほど前は、今くらいに年収が700万円くらいになっているだろうと思っていたんです。それが実際、蓋を開けてみればギリギリ600万円です。5年前までは選挙の際の投票所運営の仕事や、臨時の清掃作業など1日あたり3~4万円の手当がもらえ、いい小遣い稼ぎになっていた。でも、今は単なる休日出勤扱いで時給換算されているので、せいぜい1万円ちょっと。こうした誤算が少しつづ積み重なったことが、今の生活の苦しさの元凶です。このまま子供たちを卒業させるのは厳しくなってきた。また財布を握る妻からの月の小遣いは3万円で、とても足りない。去年から土日には妻に『昇級試験の勉強』と嘘をついて、こっそりアルバイトをやっています。日当5000円のキャバクラの送迎なんですが、いつかバレるのではとヒヤヒヤしながらやっています」

 最近、全国で、教員や警察を始めとする地方公務員の不祥事が相次いでいるが、その背景には給与低下によるモチベーションやモラルの低下があるのかもしれない。

 かつては「楽して儲かる」と、やっかみの声も聞こえた公務員の待遇だが、そんな彼らさえもアベノミスクの恩恵をまだ受けられないでいる。一般庶民へのトリクルダウンは、一体いつになることやら……。

(取材・文/奥窪優木)

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