現役のプロ野球選手も愛用する選手名鑑。昔はプライバシーもお構いなしだった!?

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最近の選手名鑑は、マニアなファンに向けて豊富なデータを紹介する傾向が強い
最近の選手名鑑は、マニアなファンに向けて豊富なデータを紹介する傾向が強い

 プロ野球はオープン戦が開幕。試合が数多く行われることで、開幕がいまかいまかと待ち遠しくなってくる。

 この時期、コンビニや書店で見かけるのが、今シーズンのプロ野球の選手名鑑だ。各スポーツ紙から、野球専門雑誌ものまで様々な種類の名鑑が発売される。今回はこの「プロ野球選手名鑑」について迫ってみよう。

今じゃ考えられない!? 住所や家族の名前を掲載

 一昔前の選手名鑑を改めて見直すと、現在では考えられないある項目が目につく。なんと選手の自宅の住所(合宿所住まいの選手は実家の住所)が掲載されていたのだ。当時は、ファンレターの送り先として記していたと考えられる。ちなみに、住所を公表しない選手は「球団気付」と表記されていた。

 また、現在では「夫人と1男」などと書かれている家族構成だが、昔は具体的に名前や年齢も掲載されていた。先に自宅住所が書かれなくなり、家族の名前・年齢も2005年の個人情報保護法施行で、家族構成のみとなった。いま考えると、昔は個人情報に対して、とても大らかな時代だったと改めて感じられる。

記された住所でトラブル発生!!

 とにかく過去の「プロ野球選手名鑑」は、選手のプライバシーもへったくれもなかった。

 住所が記されていることで、過去にはこんなトラブルが発生した。当時、ある熱心な巨人ファンたちが、記されている住所をもとに「熱烈ファンのための巨人軍選手アドレス帳」を制作したという。

 地図や家の外観写真まで紹介され、特に地図に関しては目印になる建物や交差点までハッキリと書かれていた。見習いたくなるような丁寧な仕事ぶりだ。例えば、篠塚利夫(現・和典)については、近所の少年にもインタビューしていた。「サインをしてもらおうとして家の前にいたら、篠塚選手がでてきて“うろちょろすんな! あっちに行け!”って怒鳴られたんだ。怖かった」と答えたというが、これって載せちゃってOKなのだろうか……。

 このように、今の時代ではプライバシー侵害で完全にNGの情報が満載だったのが、昔の選手名鑑だった。

各球団のスカウトも熟読!? 選手は意外な使い方を!

 近年の選手名鑑は、住所を載せなくなった代わりに、様々なデータを掲載するケースが増えた。昔と比較して、それが近年の選手名鑑の特色となっている。

 2月23日に発売された『野球太郎 Special Edition プロ野球選手名鑑+ドラフト候補名鑑2015』は、詳細な野球データを提供しているデータスタジアム社と提携し、投手の球種や球速や打者の得意なコースや苦手なコースなどが細かく分析されており、より実戦的なネタが詰め込まれている。実況アナウンサーなどのメディア関係者にも愛用者が多いという。

 愛用者といえば、プロ野球選手たちも立派な愛用者であることは間違いない。特に、交流戦期間中は、野球選手名鑑の使用頻度が増すという。理由は、異なるリーグの選手と会う機会が増えるからだ。

 幼い頃から礼儀を指導されているプロ野球選手たちは、律儀な性格を持つ人物が多い。「あの先輩選手は(高校や大学などの)先輩だったっけ?」といった具合に、出身校などを調べて挨拶に行く際に、選手名鑑を利用するのだ。そう、「対戦」ではなく、いろいろな選手に「会う」からこそ、必要になるのだ。

 オープン戦が始まったこの時期も、対戦チームに先輩がいるかどうかを調べるために、選手名鑑を手にしているプロ選手も多いはずだ。カメラがベンチを映している時に選手の手元に注目してほしい。

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