【川崎中1殺害】18歳の主犯少年は「ただのアニオタだった」

デイリーニュースオンライン

遂に実名報道まで飛び出した
遂に実名報道まで飛び出した

 川崎市川崎区の多摩川河川敷で中学1年の上村(うえむら)遼太君(13)が殺害された事件の衝撃が収まらない。

 まもなく発生から2週間が経つが、テレビや新聞、週刊誌が連日にわたって事件の経過を詳報している。

 今週半ばには、週刊新潮が、主犯格とされる18歳少年の実名と写真を公開。日本弁護士連合会が、「誠に遺憾」とする村越進会長の声明を発表するなど物議を醸した。

「新潮に限らず、多くのメディアが、逮捕された少年らの悪行ぶりを盛んに取り上げている。特に主犯格の18歳の少年の人物像は、まるで〝モンスター〟だ。酒に酔って年下の上村君に暴行を働き、ついには死に至らしめたのだから、確かに異常ではある。ただ、報道姿勢があまりに偏っている側面は否めない」(事件を取材する全国紙社会部記者)

「愛着障害」の可能性

 そんななか、フライデー3月13日号(講談社)が興味深い証言を報じた。同誌は、事件を主導した少年と上村君が所属していたとされる「8人組グループ」の一員に取材。少年の実像について、「札つきの不良」ではなく「ただのゲームとアニメ好き」だとした。

 少年は今年1月、上村君の顔に青あざができるほどの暴力をふるい、上村君の友人から抗議を受けたことを「逆恨み」したのが犯行に及んだ動機とされる。この件についても、フライデーはこう指摘している。

「上村君の『友人』の中に、かつて少年にヤキ(制裁)を入れた者が混じっていたというのです。彼らの報復を恐れるあまり、追い詰められて犯行に及んだ。つまり、『逆恨み』ではなく『恐怖』が動機だったという見立てです」(同)

「凶暴な不良少年」が暴走したのではなく、「弱者」の防衛本能がエスカレートした末に起きた悲劇だった可能性もあるようだ。

 一方、事件の背景についてこんな指摘もある。

「少年の行動は、『愛着障害』の症状である可能性が高い。幼少期に親から虐待などを受けることで、自分の感情や行動をうまくコントロールできなくなる精神障害のひとつ。この障害の影響を受けると、基本的な社会性が身につかず、人とのコミュニケーションがいびつになる傾向がある」(心理カウンセラー)

 未成年同士のトラブルが犯罪に発展したケースでいえば、広島県呉市で2013年6月、少女が元同級生らに殺害されている。

「無職の少女との無料通信アプリ『LINE』での口論がトラブルの発端となり、主犯格の無職少女が仲間を集めて被害者の少女をリンチし殺害。遺体を山中に遺棄した事件だ。ちょっとしたきっかけが取り返しのつかない重大犯罪を引き起こしたという点は、今回の事件とも似通っている」(捜査関係者)

 実は、この広島の事件の主犯として逮捕された無職の16歳少女にも愛着障害の影響が指摘されている。

「愛着障害を抱える子どもたちは、激しい虐待で、思考や反応抑制を司る脳の前頭前皮質(ぜんとうひしつ)と呼ばれる部位に深刻なダメージを受けているケースが多い。親の虐待が子へ受け継がれていくのも、この愛着障害に一因があるといわれている」(先の心理カウンセラー)

 悲劇を繰り返してはならない。

(取材・文/浅間三蔵)

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