中東のクウェートにて、空からお金が降ってくるという事件が発生し、話題となっている。交通量の多い市中心部の高速道路で広範囲に渡って突然空から紙幣が降り注ぎ、お金を拾おうと道路に飛び出す人々で一時街はパニックになった。

　事件を目撃した地元住民は、当時の様子を「とても風の強い日でした。私は妻と共に高速道路で渋滞に捕まっていたんですが、突然空からお金が降り注ぎ始めたんです。人々はお金を拾おうと車から飛び出したので、高速道路は一時パニックになりました」と語っている。

　空から降り注いだのは、主に500ディルハム（1万6000円程度）紙幣が多く、推定では地面に撒き散らされたお金は1億円程度にのぼるとも試算されている。その後、警察が現場に駆けつけたが、すでにお金を拾った人々は皆現場から消え失せており、お金は回収されぬまま。しかも、どこからお金が降ってきたのか原因は全くわかっていないという。

　このように、お金や物など奇妙な物体が空から降り注ぐ現象は“ファフロツキーズ現象”と呼ばれ、これまで世界各地で報告されている。降り注ぐものは様々で、カエルやトマト、あるいは血のような色をした雨が降り注いだこともある。日本でも2009年、石川県七尾市でオタマジャクシが降り注ぐ事件が幾度か発生して話題となってたが、最近の研究により、これらは台風や嵐によって海から空に巻き上げられた生物が雨と共に降り注いでいる可能性が高いとされている。

　しかし、今回のようにお金が降り注いだ例は世界でも数例しかない。しかもその多くは何者かが高層ビルの上から投げ捨てたものであるケースが多く、今回のように高速道路などで降り注いだケースは類例がないとも指摘されている。いくら中東の富裕国であるとはいえ、1億円を気前よくばらまくには相当な労力が必要。そのため、一部では「銀行の窓が開けっ放しになっていたのでは……」とも噂されている。

　現在も調査中とのことだが、その原因を明らかにすることは難しいとのことだ。

（取材・文／X51）