三原じゅん子議員「八紘一宇」発言で“マイルドヤンキー”疑惑が浮上

デイリーニュースオンライン

初登院時の三原議員(撮影/小川裕夫)
初登院時の三原議員(撮影/小川裕夫)

 参議院の予算委員会で「建国以来、日本が誇るべき精神である」と“八紘一宇”を紹介した三原じゅん子議員が話題になっている。三原発言に対して、「八紘一宇は戦前期に日本が戦争を正当化するために造り出した言葉」「そもそも昭和になって生まれた言葉であり、建国以来の精神ではない」といった批判が噴出し、「これだからタレント議員は……」といった呆れた声も出ている。

 元女優という華麗なる経歴からタレント議員扱いされる三原議員だが、永田町界隈では「ほかのタレント議員とは一味違う」というのが、もっぱらの三原評だ。

 三原議員は2010年7月に投開票された参議院選挙で比例区から出馬して当選しているが、出馬表明は4月という早い時期にしている。また、出馬会見で自民党からスカウトされたのではなく、自分から手を挙げたことも明かした。

女性ならではの政策を懸命に訴えた

 三原議員の政界への思いは強く、選挙戦では自身が子宮がんを患った経験から、唯一予防が可能といわれる子宮頚癌のワクチン接種の無料化や不妊治療対策といった医療・介護・福祉分野への政策を掲げていた。ただ、笑顔を振りまく人寄せパンダ候補ではなく、蒸し暑い中を走り回り、綺麗にメイクした顔は汗で思いっきり崩れていた。そんな状態をも気にせず、有権者と握手し、頭を下げ、政策を訴えて回っていた。

 女性ならではの政策を訴えて当選した三原議員だが、政治思想はいたって保守的だ。三原議員は当選直後から靖国神社を参拝しているが、その理由を「小さい頃から舞台で戦争の芝居をやることが多く、そうした芝居を演じるうちに自然に英霊に対して畏敬の念を抱くようになった」と説明している。

 ある永田町関係者は、三原議員についてこう話す。

「選挙戦で、三原議員はとにかく介護や医療、福祉といった政策だけしか話していないのです。ところが当選直後は、国防や軍事、歴史観といった分野の話もするようになりました。これは、三原議員が心酔している石破茂地方創生担当大臣の影響でしょう」

 三原議員は参議院議員会館の自室に戦闘機の模型や戦国自衛隊のDVDを飾るなど、軍オタと見間違えるようなミリタリーへの熱の入れようは凄まじい。石破大臣は政界きっての軍オタとして知られるが、三原議員が石破大臣の影響を少なからず受けていることは、こうしたところを見ても間違いないだろう。そのミリタリーグッズと並んで、石破氏が揮毫した色紙も飾られていいた。

 そうした軍事や国防への傾斜が、今回の“八紘一宇”発言につながったとも考えられるが、永田町関係者の見方は、また違う。

「三原議員は不良役を演じたことで女優として人気を博しましたが、これは役を演じていたのではありません。今風に言えば、三原議員は“マイルドヤンキー”ということになるんじゃないでしょうか……」(前出・永田町関係者)

 その片鱗は2010年7月30日にも現れていた。この日は早朝から強風が吹き荒れる荒天だったが、国会正門前は黒山の人だかりができていた。なぜなら、参議院選挙後初の登院日だったからだ。初当選を飾った議員たち、今や日本を元気にする会の代表を務める松田公太議員もこのときが初登院で、にこやかな笑顔で選挙スタッフたちと記念撮影に興じていた。

 そんな晴れがましい場に、三原議員は薄い水色のスーツを着込んでゆっくりと現れた。周囲に放つオーラはほかの一年生議員とは明らかに異なっていた。

 ──あれから5年。政治家として歴も積んだはずである。“八紘一宇”という小難しい四文字熟語は、確かにヤンキーマンガでよく見る“夜露死苦”を想起させる。三原議員が国会質疑で“八紘一宇”と口にしたのは、“昔の血が騒いだ”からなのだろうか?

(取材・文/小川裕夫)

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