暴走族、ギャング、愚連隊が続々復活する“本当の理由”

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多様化する暴力団のリクルーティング事情
多様化する暴力団のリクルーティング事情

 1970年代には20万人いた暴力団構成員が、警察庁が統計を取り始めてから初めての6万人を割り込む5万8600人にまで減少した。

参考記事/初の6万人割れ!減少の一途を辿るヤクザの人材難事情

 当然、各暴力団も手をこまねいているわけではない。必至のリクルート活動が至るところで行われているわけだが、その現状を現役の暴力団幹部はこう明かす。

「以前だったら、口を開けば“カネ持って来い”しか言わなかったけど、最近は“兵隊確保しろ”と、定例会でハッパをかけられることが多くなった。実際、若い衆不足で解散になってしまった組も増えている。若い衆が減れば上納金も減るし、暴力装置としての価値が消え失せてしまう。そうなればヤクザも終わりだ。俺たち、若手幹部も、最近は必死になって若い衆集めに奔走してますよ」

 とはいってもハローワークで募集できるわけではない。どうやって集めているのか?

「復活させないか?」と持ちかける

 前出の幹部が語る。

「俺の例でいえば、80年代末に所属していた有名暴走族があるんだが、2000年を過ぎた頃には消滅してしまった。暴走族っていう時代じゃないからな。そこで、俺は、地元の不良少年を集めて、かつての名門暴走族を復活させないかと焚きつけるわけだ。今の時代、バイクで走るわけじゃない。あくまで名前だけ受け継ぎ、後は詐欺をやるでもいいし、クスリをいじるでもいいし、愚連隊として地元を盛り上げてみないかと。そうすると、けっこう乗ってくるんだな。時代は違えど、不良少年の根っこは同じ。かつての有名暴走族の名前に憧れていたりするんだよ。ちょっと背中を押してやれば、やる気になるってわけだ」

 このように現役組員が後押しする形で、かつての名門暴走族、ギャング、愚連隊の類が最近続々と再結成される動きがあるという。

「こいつらを組員にしようっていうんじゃない。逆にカタギのまま、直属のチームとして配下に置いておけば、兵隊になるし、カネも集めてくるし、部屋を借りるときの名義人にしたり、何かと便利なんだ。これからは、こういう愚連隊を自らプロデュースして、そいつらを抱え込んでいかないとヤクザ稼業は成り立たない時代だと思うね」

 ヤクザにとって苦難の時代のようだ。

(取材・文/小林靖樹)

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