トイレにも行けず、子守り要員…巧妙化する“ママ友いじめ”の実態

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子どもが孤立しないようにママ友いじめに耐える女性も多いという
子どもが孤立しないようにママ友いじめに耐える女性も多いという

 出産した産院や、児童館、地域センターなど、出産して間もない新米ママ達の行動範囲は狭く、ママ友と出会える場所は少ない。月齢が近い子供を持つママ友は、育児の悩みや相談をできる数少ない“仲間”。

 しかし、そのママ友内でのいじめに悩む女性達も多い。ママ友内でのいじめとは、いじめに見えない“いじめ”。

 男性には理解されにくい、このママ友界の奇妙なルールやいじめについて、一歳児を持つ専業主婦の綾さん(仮名・30歳)に聞いてみた。

「私のように働いておらず、保育園に子供を預けられないママは、幼稚園に入園するまでは自宅で育児が基本。支援センターで知り合ったママ友達は、元々地元の人たちでグループができていて、なんとかグループに加わることはできたのですが、いわゆる“パシリ”に近い扱いでした」

子どもの遊び相手がいなくなるから我慢

 都市部の保育園激戦区では、共働きでないと入園できず、幼稚園への入園も満3歳まで受け入れて貰えない。いわゆる乳幼児の育児をしている専業主婦達は、公園やキッズカフェなどで子供を遊ばせている。

「ママ友とキッズカフェに行くのですが、遊具で遊んでいる子供達から目が離せないので、トイレなどは順番に行くのがルール。でも、ずっと子供の相手を頼まれてトイレに行かせてもらえなかったり、他のママ達は席に座ってドリンクバーを飲んで休んでいるのに、自分だけ子供のままごとの相手をさせられたり。正直、疲れるのですが、子供の遊び相手が他にいないので、我慢して付き合いを続けています」

 三歳児を育児中の美奈さん(32歳・仮名)にも話を聞いた。

「やっと幼稚園に入園できて、同じ園に通うママ友ができて喜んでいたのですが、近隣のマンションごとに自然とグループができていて、分譲の新築マンションのグループのママ達が、勢力的に中心。自分は古い賃貸のマンション住まいで、他に同じマンションの人がいないため、園バスを待つ間の数分間が仲間外れにされて、会話に加われず苦痛。子供同士は仲が良いので、『なんでママは一緒にお話ししないの?』って娘に言われてつらいので、園バスを辞めて、自転車で通園しようか迷ってます」

 パートナーである夫に悩みを相談しても、一見、仲間外れにされているようには見えない“いじめ”なので、「勘違いではないか?」と言われ、さらに気に病む女性もいるとか。

 綾さん、美奈さんにも共通するのが、ママ友とのつきあいを止めると、子供の遊び相手がいなくなるから我慢する、という点。

「通っている幼稚園は、園児数も少なくクラス替えもないので、いわゆるボスママに嫌われないように気を使っています」と美奈さんは言う。綾さんも、こう続ける。

「SNSで、うちの息子だけ目をつぶっていたりブサイクに写っている画像をアップされてタグ付けされたり。息子の名前もネットに書かれたり。さりげなく、やめてほしいと言ったら、自分だけ仲間外れにされて、他のママ友達でランチに行った画像を挙げられていました。息子のために、ママ友達に謝って『また一緒に出掛けたい』と言ったら、ベビーカーが盗まれないように、公園で見ておくのを任されてずっとその場から動けなくされました」

 子供のために我慢を続けるママ達。ぶつけどころのない育児ストレスが、ママ友内のいじめに発展しているのかもしれない。

(取材・文/如月小百合)

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