ジビエグルメ漫画『ゴールデンカムイ』でお馴染みのリス肉を食べてみた

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クマとリスを食べてみた
クマとリスを食べてみた

 横浜市のジビエ料理店「珍獣屋」にて、「ヒグマとリス肉の鍋」が食べられるということで行ってきました。

 リス肉と言えば、最近では『週刊ヤングジャンプ』にて掲載中の作品『ゴールデンカムイ』でも扱われていました。この作品は、元帝国陸軍の兵士であり主人公の「不死身の杉元」と、陸軍第七師団(の一部)、脱獄犯の土方歳三一味などがアイヌの隠し資金を巡って争い、争ってる間にしばしばヒグマに襲われるアクション漫画ですが、主人公の杉元と共闘するアイヌの少女、アシㇼパさんがアイヌの知恵を活かして捕らえた動物を料理するシーンがしばしば挿入されるため、アイヌうんちく漫画、グルメジビエ漫画といった側面もあります。

 作中ではリス、ウサギ、カジカ、カワウソなどの料理が披露されており、リスはチタタㇷ゚と呼ばれる「刃物で叩いてひき肉にする」調理法で調理されました。骨ごと潰して肉団子にしてオハウ(汁物)に入れ、「肉のつみれ汁」にするのです。それを食べた際の主人公杉元によるリス肉の感想が以下のこれ。

「うまい…ッ!! 肉は臭みが無く、ほんのりと甘くて木の実の香りがある。柔らかい肉の中に細かく刻んだ骨のコリコリした触感が良い!」(『ゴールデンカムイ』1巻 野田サトル著 集英社より引用) 

リス肉には独特のえぐみが

 そしてこちらが珍獣屋で出てきたリス肉です。こちらは骨ごとではなく、肉だけを取り外したもの。リスってちっちゃいイメージがありますけど、結構まとまったサイズのお肉が取れるもんなんですね。

 ドミグラスソースのお鍋でしっかり煮込んでから頂きます。

 味は……、うーん……触感はもちもちとしておりレバーに近い感じ。ドミグラスソースが強いせいか、甘みや木の実の香りは特に感じないですね。『ゴールデンカムイ』では干した山菜を入れただけの鍋にリス肉団子を加えていたので、あちらの方が素材自体の味は分かりやすいのかもしれません。なお、食べた後に、えぐみのような、やや奇妙な後味があります。

 続いてクマ肉。こちらはしゃぶしゃぶで軽く火を通してから頂きます。なお、ドミグラスソースにも熊の脂が使われているとのこと。

 クマの味は……うーん、これは牛肉だ……。特に臭みもないし、独特の触感や味わいもなく、「あー、あるよね、こういう牛肉」みたいな。リスは独特のえぐみがあったから、「変わったもん食ってるな俺!」という満足度があったけど、クマは普通すぎて何も感動がないぞ……。

 ……んー、どうなんでしょう、これは? 珍獣屋さんが頑張って下処理して、牛肉のように違和感なく食べれるように仕上げてくれたのか? それともクマ肉は元々牛肉に近く、意外と食べやすいお肉なのでしょうか??

 そこで、筆者の個人的な知り合いであり、父親が兼業マタギである花村崎さんに相談してみたところ、「ちょうど家の冷凍庫に熊肉があるので、食べてくるからちょっと待ってて」とご協力を頂きました。

 写真は「圧力鍋で15分煮て、そのあと市販のすき焼きのタレで煮込んだ熊肉の煮込み」だそうです。肝心の味の感想ですが、

「牛肉にかなり近い味。脂身は牛とはまた違ってプルっとした食感で、猪の脂身に近いかな? 猪の脂身はイベリコ豚の脂身に似てます。っていうとかなり至高の肉みたいですが、最終的に後味が獣なのがなんとも……。獣くささは、たぶん血抜き処理の甘さが原因の部分もあるのでプロのジビエは臭みを感させないかも!」

 とのこと。ウーン、クマ肉の味は牛肉に近い、ってことでどうも間違いなさそう……。『ゴールデンカムイ』は既にヒグマを3体も倒してるのに、まだヒグマ食べてないんですよね(2巻時点)。早くヒグマを食べて漫画の中で味の感想を書いて欲しい……!

『珍獣屋』
住所:神奈川県横浜市中区野毛町1-45港興産ビル3号館2F
TEL:045-260-6805
営業時間:17:00~23:00

著者プロフィール

作家

架神恭介

広島県出身。早稲田大学第一文学部卒業。『戦闘破壊学園ダンゲロス』で第3回講談社BOX新人賞を受賞し、小説家デビュー。漫画原作や動画制作、パンクロックなど多岐に活動。近著に『仁義なきキリスト教史』(筑摩書房)

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