吉田豪インタビュー企画:爆笑問題・太田光「逆に言うと、いまネットがなくなったら俺は生きていけない」(2) (2/4ページ)

デイリーニュースオンライン

時代が時代なら田中裕二はユーチューバー!?

──太田さんの場合、最初にそういう文化と距離を置いちゃったせいとかもあるんですかね。

太田 僕はだからFacebookだのTwitterだのっていうのは、タレントにせっかくなったのに、なんで素人の発信する装置を使うんだろうっていう思いがあって。俺らは段取りを踏んで、一応自分のなかでは精査されながら公共のメディアにやっとたどり着いたのに、誰でも発信できるものをなぜ使わなきゃならない? っていうプライドみたいなのはあるんですよ。

──そこに線引きはしておきたい。

太田 うん。そこはいわゆる昔の芸能人の感覚に俺も近いのかもしれないけど、Twitterっていうのはステージが終わってテーブルについて客と話すみたいな感じがして嫌なんだよね。それはTwitterやってる人に悪いから、あんまりそういうふうには言わないんだけど、そこまでサービスしなきゃいけないのかなっていう。俺はもしファンから手紙もらったとしても返事書くタイプじゃないから……でもまあ、結局そうなっていくんだろうけど。

──実際なってきてますからね。

太田 それはネットなんかないときから、小劇団が嫌いだったっていうことにも通じる。「そのへんの仲間を集めてやってるけど金儲けもできてないだろ、それは俺は認めない」っていうようなところとつながってるんですよね。だから俺が高校時代に誰とも話せなかったっていうのは、逆に言うとそういう自分が情けなくて、絶対に人前でみんなを笑わせるようになりたいっていうことの下地になってるから、おそらく認めたくないんでしょうね、誰もが使えるジャンルみたいなものを。ユーチューバーみたいな連中とか。

──太田さんの場合、もし孤独だった高校時代にネットがあったら絶対ハマッてると思いますけどね。

太田 ただね、俺は意外ともともとそういう内輪ウケ感みたいなのは苦手で、やっぱり(チャールズ・)チャップリンとか漫才ブームでも(ビート)たけしさんとか、王道が好きなんですよ。それこそ田中の『ウーチャカ大放送』(10代の田中裕二がウーチャカを名乗り、自分で作っていた架空のラジオ番組)みたいなのを自分でも作ってみたりしたけど、やっぱりこんなの気持ち悪いって思うほうだったし。それが伸し上がる手段としてならありかもしれないけど、最終目的地は全国放送のゴールデンなんじゃないの? ってどっかで思ってるところがあって。

──たしかに田中さんだったら『ウーチャカ大放送』をネットでやってるでしょうけどね(笑)。

太田 田中は確実にやってる。それを俺がケチョンケチョンに言ってる。あいつ、ユーチューバーになってるよ! で、意外と人気出たりして。ブロガーとかユーチューバーとか。(吉田豪に)ネットはやってるんでしょ?

──もちろんユーチューバーではないですけど、SNSはほぼやってますよ。Twitterも異常に好きで、前に『日曜サンデー』に浅草キッドが出たとき、両者がかなりギリギリな攻撃をしていたら、田中さんが「こんな吉田豪が喜ぶようなやり取りやめろよ!」って言ってたじゃないですか(笑)。

太田 ああ、言ってた!

──そして、「吉田豪、あいつホントに嫌なヤツなんですよ」って太田さんが被せていって。

太田 言ってたね(笑)。

──そのときまさにボクはTwitterで爆笑問題vs浅草キッドの模様を実況してたんですよ。だから「バレた!」って感じで(笑)。

太田 ハハハハハ! 人の争いごととか大好きだからね(笑)。

──だから、そういうのがラジオで始まったりすると大興奮ですよ。「みんな、いま聴いたほうがいいよ!」って拡散して。

太田 そういうの扇動して空気を作ってるよね。人が争うのを喜ぶ空気。

──ただ、聴取率を上げたいっていう思いはあるんですよ。後から動画を貼るとかよりも、「いますぐラジオを聴こうよ!」って。

太田 なるほどね。それはありがたいんだか、どうなんだろう? でも俺は、もともと争いごとが好きなわけじゃないんですよ。なるべく波風立てずに生きていきたい。

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