中国で放映される抗日ドラマ“あり得ない官能シーン”が大炎上

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炎上した『一起打鬼子』のワンシーン
炎上した『一起打鬼子』のワンシーン

 近年、ますます中国のエロ規制は厳しくなっています。特に老若男女が見るテレビドラマに関しては、女性の胸の谷間が、V字のドレスから少し覗いているだけでも検閲で引っかかるケースもありました。

 ですが、これがこと抗日ドラマとなると、中国当局の監視の目もゆるくなってしまうのか、一般ドラマだと許されないようなエロシーンも出てくることがしばしばあります。先日、『一起打鬼子(日本語訳:一緒に鬼子を退治せよ)』というドラマが「エロすぎる」と中国で話題になったので、ご紹介いたしましょう。

通常のドラマでありえない激しい官能シーン

 話題となったのは、こういうシーンでした。中国人男性が日本軍の暴行を受けて血だらけとなり、監獄の中へと閉じ込められています。そこに面会を許された奥さんが、牢屋の中へと入ってきて、旦那と再会を喜び合います。奥さんは旦那に身を寄せながら、旦那の手をつかみ、「私の柔らかいところを揉んで」と言い、旦那の手を自分の上着の中へと入れ、その胸へといざなっていきます。監獄の中だというのに何とも大胆です。

「さっきは入り口で、日本鬼子が私を触ろうとしてきたけど、私は触らせなかった。あなたにしか触らせないの!」

 そう誇らしげに語る奥さんは、今度は旦那の手を自分のズボンの中へといざないます。こうなると、もはや誰も2人を止めることはできません。2人は熱く抱擁をかわしながら、激しくお互いの唇をついばみます。牢屋の前では、日本軍総司令官と見張り役が、2人の様子を見守っていましたが、そのあまりの熱々ぶりに、2人を直視できなくなり目を逸らします。

 服ははだけていないものの、何ともエロチックなシーンです。香港のエロチック映画ならまだしも、これが中国のテレビで放映されていることが、にわかには信じられません。

 その後、旦那は、日本軍総司令官に向かって、天皇の悪口を言います。すると、日本軍総司令官は、その言葉に激怒して旦那を撃ち殺そうとします。そのとき、旦那は奥さんにこうささやくのです。

「もう一度、君に最高の快感を与えるよ」

 こんな危機迫る状況だというのに、旦那はまたしても奥さんをまさぐり始めます。ですが、ここで不埒なシーンが続行されるのかと思いきや、今度は違いました。なんと、旦那がその手を引っ張り出すと、そこにはM24手榴弾が握られていたのです。奥さんは自分の体内にこれを隠していたのですね。そして、旦那は手榴弾のピンを引っこ抜いて、日本軍総司令官ともども道ずれにして自爆するという壮大なラストを飾ったのです。

 中国ドラマだとあり得ないような官能シーンが延々と続きましたが、制作者の言い分としては、「これは全てこの最後の感動的な自爆シーンの伏線なのだから、見逃してくれ」ということだったのでしょう。

 通常のドラマであれば、こんな言い分が通るわけありませんが、こうして無事に放映されたところを見ると、やはり抗日ドラマだから認可されたのでしょう。このシーンは中国人視聴者にもかなり衝撃を与えたようで、ネット上でも書き込みが相次ぎました。ご紹介しましょう。

「とてもエロ! とても暴力!」(中国の放送検閲局が、日本アニメを非難する際、よくこのセリフを言う。そのモノマネ。日本アニメは非難されるのに抗日ドラマは問題ないという揶揄が込められている)
「嫁がエロすぎ!」
「手榴弾は防水仕様なのか? 中がビショビショになって引火できないと思うんだが」

 なかなか細かい指摘をする人もいましたね(笑)。ちなみに、この奥さんを演じた女優さんは、110mハードルの金メダリスト・劉翔の妻。劉翔は、かつて反日的な発言でかつて話題になったことがあります。

 劉翔も、今回の奥さんのエロシーンにはいい思いを抱かなかったでしょうけど、これに関しては、抗日ドラマだから許したのかもしれません。

 ちなみに、僕としてはもちろん日本のアニメに規制を設けるぐらいならば、こういう実にバカげた抗日ドラマをどんどん取り締まって欲しいと願ってやみません。

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)

(構成/杉沢樹)

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