【電流爆破】橋下徹の政界復帰は「大仁田厚」流で行け!

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公式HPより
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「悔しいけど、今後も橋下革命を続けて欲しい。次は中央政界に打って出て日本の初代大統領になるべきなんですよ!」

 ……この連載にも何度か登場した筆者の部下(注1)は、「大阪都構想」が住民投票によって否決された翌日、こう吠えていた。小泉純一郎の郵政改革を熱狂的に支持し、次は手の平返しで「政権交代だ」と民主党に投票した男だけに、当然、今回は橋下徹・大阪市長を狂信。敗れてもなお、熱は冷めてない。

 詳しい政策の違いなど分らないが「ただ現状をブチ壊して欲しい」こういうアレなタイプが支持者に多かった橋下市長。しかし潔く負けを認めて引退宣言した態度には、一般層からも政界復帰を望む声が多い。

 橋下市長の今後については「風俗街の弁護士に戻る」、「タレントとしてミヤネ屋の対抗馬になる」等が取り沙汰されているが、やはり焦点は政界復帰があるか、ないかだろう。これまでも多かったが、仮に復帰するのなら最大級の前言撤回となるため、それなりの理屈が必要。そこで参考にして欲しい人物がいる……大仁田厚だ。

復帰が成功する条件とは

「またプロレスにたとえるのかよ」と思われるだろうが、これほど<前言撤回して復帰>のいい例はない。まず大仁田は負傷により1985年に古巣・全日本プロレスを引退。しかし食えないため数年後に女子プロレスのリングに無理やり上がった(相手はグラン浜田)。誰も望まない復帰だけに、場内はブーイングの嵐に包まれた。

 曲折を経てFMWという自分の団体を旗揚げし、今も専売特許としてやっている「電流爆破マッチ」を行った時、大仁田の復帰は初めて受け入れられた。復帰成功のポイントは二つある。
(1)斬新な企画…これまで誰もやらなかった<電流爆破マッチ>という試合形式のインパクトは絶大だった。
(2)大衆の潜在意識の汲み上げ…FMWは流血あり、女子プロあり。何でもありの自由なスタイルを売り物にした。これは当時大人気だったUWFの堅苦しい格闘技風スタイルへのアンチテーゼ。「プロレスは、もっと肩の力を抜いて見てもいいはず」というファンの潜在的ニーズを、見事にすくい上げた。

 本来は<大阪都構想>が橋下市長の<電流爆破マッチ>のはずだった。しかし敗れた以上は、新たに耳目を集める企画(政策)が必要になる。それは<道州制>なのか<憲法改正>なのか? 間違ってもヘイトスピーチ抑止条例案では無いだろう(注2)。

 そして、企画(政策)以上に大事なのが大衆の潜在意識を読むことだ。いや、読めさえすれば必然的に企画(政策)は決まってくる。橋下市長に対する期待感が急速に萎んだポイントはどこか? 石原慎太郎と袂を分かって、民主党に秋波を送ったり、結いの党と連携を始めた時、と筆者は思う。大衆はそんな動きを求めてはいなかった、ということだ。

 未だ橋下市長の本意は分からないが、大仁田厚の復帰過程を参考にして頂ければ、次は勝つチャンスも見えてくるはず。とはいえ一時期、同じ党に所属したアントニオ猪木議員への冷淡な態度を見ると、どうも橋下市長はプロレスがお嫌いな模様。大衆の欲求に応える仕事という点では同じなのだが……。

(注1)筆者の部下…勝ち馬に乗った気分を味わいたいらしい。
(注2)ヘイトスピーチ抑制条例案…橋下氏の大阪市で、全国の自治体でも初めての条例化を目指しているが、批判も多い。

著者プロフィール

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コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。DMMニュースではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

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