年金機構の個人情報漏洩にまつわるキナ臭い話|やまもといちろうコラム

デイリーニュースオンライン

一時的に停止中の日本年金機構のホームページ
一時的に停止中の日本年金機構のホームページ

 やまもといちろうです。ようやく海外から戻ってきてみれば、日本独特なジメジメした気候ですっかり喉の調子がよくなりました。ビバ、湿潤。

 ところで、気候は気候でも例の年金機構の話、ややこしいことになっております。先日、なぜかカスペルスキーという会社が日本を標的としたAPT攻撃の詳細についてプレゼンしておりましたが、結構なことが書かれております。

年金機構は氷山の一角、少なくとも300カ所に侵入済み、報道機関にもクラウド事業者にも

クラウドサービスを提供している事業者で、その基幹サーバー本体の管理者権限まで窃取されていたとみられるという。

 どこかの六本木の会社ではないかと特定のクラスターでは話題になっておりましたが、カスペルスキーにおかれましては適切な公益通報をされたのでしょうか。騒動があるごとに自社の利益が誘導されるのは疫病時の製薬会社みたいなもので、ある意味で宿命とも言えるところではありますけれども、ウイルス対策会社におかれましては自社で作成したウイルスをばら撒いて、自社の検知ソフトで対策をするようクライアントに促すというマッチポンプを敢行した某社の事例もありますので、カスペルスキーだけは信じたいところであります。

 カスペルスキーの記事はとても興味深いので、ぜひお読みいただければと思います。

世界的に広まるサイバー攻撃

 また、アメリカにおいてもafpが興味深い記事を展開しております。

米政府職員の個人情報に不正アクセス、約400万人 中国が関与か

 こちらは「中国が関与か」という名指しもしつつ奥ゆかしい記事になっておりますが、まあ要するに中華事案であります。もともと2014年10月には「何かありそうだ」という話が出回っていた分だけ、具体的に「やー、中国でした」と言い切るのに半年かかったというのは、それだけ一連のサイバー攻撃が日本もアメリカも浸透し尽くしており、ダメージがどこまであるのかわかるまでに時間がかかっているということの証左でもあります。

 前出記事でも、結構なことが書かれております。

情報機関関係者の個人情報へのハッキングの有無は現時点では不明。

 まあ、何とも言いづらいところではありますが、大統領や政府高官と並んで情報部門の話がわざわざ並列で書かれるというのは、それなりの事情があるのだろうと思うわけであります。

 それもあって、日本の有力者たちもようやく日本の置かれている現状に気づき始めました。

「東京五輪、最大の問題はサイバー攻撃」森喜朗氏

 さすがに人の上に立つ人物にまでこのような表現が出始めるということは、少しは問題解決の道筋も見え始めたのかなと前向きに考えたいと思うところであります。

 引き続き、よろしくお願い申し上げます。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

「年金機構の個人情報漏洩にまつわるキナ臭い話|やまもといちろうコラム」のページです。デイリーニュースオンラインは、政治炎上やまもといちろう中国ネット連載などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧