【神戸連続児童殺傷事件】元少年Aの「絶歌」出版までの舞台裏

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あの大物社長が暗躍!?
あの大物社長が暗躍!?

 神戸市で1997年に起きた連続児童殺傷事件の加害男性(32)が、「元少年A」の名前で発表した手記「絶歌」(太田出版)が話題となっている。

 猟奇的な犯行に至るきっかけとなったのが、小学5年の時に経験した「最愛の祖母の死」だったとし、自身の性的倒錯も告白。殺害しバラバラにした土師淳君(当時・11)で「殺人よりも更におぞましい行為に及んだ」と自慰行為を行ったことを示唆した。

 手記では、関東医療少年院から出所した後の暮らしぶりについても明かしている。「少年A」が自らの言葉で記したその内容もさることながら、出版に至った経緯にも注目が集まっている。

「完全自殺マニュアル」の編集者が担当

 被害者遺族からの反発を受けながら、なぜ、今この本が出されたのか。

 版元の太田出版側は、メディアの取材に「ある人物を介して、今年3月に本人から原稿の持ち込みがあった」と回答している。

 ただ、問題作であるだけに世に出るまでには紆余曲折があったようだ。

「『絶歌』は当初、幻冬舎から出る予定だったようです。ところが、一部週刊誌で出版計画がすっぱ抜かれて幻冬舎に非難が殺到する事態になった。本の発売は一旦白紙に戻りましたが、計画自体は生きていたと聞いています。業界内では『夏頃には幻冬舎が発売を強行するんじゃないか』と囁かれていました」(出版関係者)

 ところが、電撃的に手記の発売を発表したのは、当初から有力視されていた幻冬舎ではなく太田出版だった。その背景にはあの名物社長の存在があったようだ。

「実は幻冬舎の見城社長と太田出版とは浅からぬ関係にある。前社長の高瀬幸途氏と見城氏が昔からの友人で、現社長の岡聡氏ともつながりが深い。そのこともあって、太田出版側に話を持ちかけたとされる『ある人物』とは、見城氏ではないかという見方が強い」(週刊誌記者)

 出版不況のなか、初版は破格の10万部。この数字からも、本にかける期待がにじんでいる。ベストセラーを狙う太田出版の思惑は、担当編集者の名前からも明白だ。

「編集を担当したのは同社の取締役でもある落合美砂氏。彼女は100万部以上を売り上げるミリオンセラーとなった『完全自殺マニュアル』を手掛けたことで知られる敏腕編集者です。この本は、発売当時、一部の自治体が有害図書に指定するなど社会的に波紋を呼んだ。発売後に起こるハレーションも想定し、事後対策のノウハウもある落合氏に白羽の矢を立てたのでしょう」(先の出版関係者)

 ちなみに本の印税は一般の書籍と同じく作者本人に入るようになっているという。10万部を売り切れば1000万円超の大金が加害男性に転がり込むことになる。

 加害男性が犯した罪の重さを考えると、釈然としない思いも残るが……。

(取材・文/浅間三蔵)

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