【ドラえもん】先代ジャイアン死去で分かったマスコミの無知

デイリーニュースオンライン

「ドラえもん」第1巻より
「ドラえもん」第1巻より

 先ごろ、俳優・声優のたてかべ和也さんが亡くなった。享年八十。『ヤッターマン』のトンヅラーや『ど根性ガエル』のゴリライモも演じたが、何と言っても国民的アニメ『ドラえもん』のジャイアン(剛田武)役で知られるだけに、嘆きの声が日本中に広がっている。

 <初代ジャイアン、たてかべさん亡くなる><現役ジャイアン・木村昴が初代に感謝の言葉>など、ネットニュース等でも大きなトピックとなっている。……が、待って欲しい。たてかべさんは、ジャイアン役としては二代目だ。

 知っている人は知っているだろうが、現在放映中のテレビ朝日版『ドラえもん』(1979年〜現在・第二作)の前に、日本テレビ版『ドラえもん』(1973年・第一作)が存在する。第一作のジャイアンの声は肝付兼太。つまり、第二作でスネ夫を演じた声優だった。1979年から2005年まで続いた大山のぶ代(ドラえもん)、小原乃梨子(のび太)を含めた第二作の一期声優陣がなじみ深いせいか、反射的に「たてかべ和也が初代ジャイアン」と思い込んでしまう向きが多い。

『トリビアの泉』も間違えていた『ドラえもん』への無知、誤解

 主演(?)のドラえもんへの誤解もひどい。かつて『トリビアの泉』(フジテレビ)(注1)が、

「大山のぶ代は、ドラえもん役として…二代目である」
「初代は野沢雅子(注2)である」

 と、堂々と放送したことがあった。タモリはじめ出演者たちは「へぇ〜〜」を連発していたが、筆者はすぐにフジテレビに電話。「今のトリビアは間違っていますよ!」と伝えたものだ(注3)。正解は初代・富田耕生、二代目・野沢雅子、三代目・大山のぶ代だ。細かい雑学のウンチクを売りにしていた番組ですら、この体たらく。『ドラえもん』は国民的アニメの割に、いや、それゆえに多くの誤解を持たれている。

 アニメ関連は第一作がほぼ封印(注4)されているために起こる間違いが多いが、その他にも<ガチャ子の存在><黄色いドラえもんの声><当初ヘリトンボだったタケコプター><セワシ君とジャイ子のパラドックス><入れ替わったパパの名前>などなど…。原作漫画からアニメにまたがって、いくつもの封印、矛盾、変更、謎が存在するのが『ドラえもん』ワールドなのだ。

 とはいえ筆者も大ファンであり、素晴らしい傑作であることに揺るぎは無い。大長編も含めて内容豊かな原作、26年間も続いた大山のぶ代版(第二作一期)、いまの子供たちが楽しく見ている水田わさび版(第二作二期)など、どれも見る人それぞれのドラえもんがある。誤解も含めて楽しむべきなのだろう。

 たてかべさん、いやジャイアンに「生意気だぞ、視聴者のくせに」と言われないように。

(注1)トリビアの泉…2002年に深夜番組としてスタート。ゴールデン昇格して2012年まで続いた人気番組。トリビアとは「些末な」「雑学」。
(注2)野沢雅子…他に『ドラゴンボール』の悟空役など、主演多数。
(注3)間違いを指摘…その後、番組内で訂正は無かった。
(注4)ほぼ封印…藤子F先生のご意向など、理由は諸説あり。

著者プロフィール

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コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。DMMニュースではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

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