田中角栄 日本が酔いしれた親分力(8)限られた時間を最大に活用
71年(昭和46年)7月、53歳で通商産業大臣に就いた田中角栄の秘書官として、小長啓一は仕えることになった。 田中は、目白の田中邸で毎朝7時から9時頃までの2時間、1組3分、毎日40組、次々と訪問客たちの陳情を受ける。 小長が〈なるほどなァ‥‥〉と感心することもあった。中には、部屋に呼んで説明を聞く前に、田中が先に言い放ってしまう。「君、あの話は今回ダメだよ」 選挙区から来た相手の顔を見た瞬間、即座に追い払う...
71年(昭和46年)7月、53歳で通商産業大臣に就いた田中角栄の秘書官として、小長啓一は仕えることになった。 田中は、目白の田中邸で毎朝7時から9時頃までの2時間、1組3分、毎日40組、次々と訪問客たちの陳情を受ける。 小長が〈なるほどなァ‥‥〉と感心することもあった。中には、部屋に呼んで説明を聞く前に、田中が先に言い放ってしまう。「君、あの話は今回ダメだよ」 選挙区から来た相手の顔を見た瞬間、即座に追い払う...
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