【小説】国芳になる日まで 〜吉原花魁と歌川国芳の恋〜第17話
前回の16話はこちら 【小説】国芳になる日まで 〜吉原花魁と歌川国芳の恋〜第16話 ■文政八年 正月(2) ふわり、と宙を舞い、みつは国芳の腕の中に飛び込んだ。国芳はみつの身体の重みを受け、そのまま地面に尻もちをついた。痛ってえと国芳は呻いたが、腕にしっかりみつの身体を抱き止めている。 「あははっ」 傍にいた幼い禿(かむろ)の一人が大声で笑った。 子どもたちの笑顔の輪はたちまち広がり、大きな大輪の花になった...
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