跡形遺さない災害による死。そのような死を形に留めておく慰霊碑という存在
埼玉県南西部に属し、東部は川越市・鶴ヶ島市、西〜南部は飯能市、北は坂戸市・毛呂山町と接する日高市の台(だい)134番地には、水天(すいてん)の碑と呼ばれる石造物がある。 碑は縦137cm、横97cm、幅45cmで、正面に大きく「水天」の大きな文字が刻まれている。立てられたのは天保15(1844)年で、正面の台座に「惣村中」とあることから、当時の台村の人々が立てたものであることがわかる。碑のそばの看板によると、天保年間...