誰も知らなかった戦争体験『慰安婦との性体験』

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誰も知らなかった戦争体験『慰安婦との性体験』

戦後70年。

戦争の記憶は風化していき、戦争体験者の方も亡くなっていきます。

戦争の記憶を次世代につないでいくために、「誰も知らなかった戦争体験」をシリーズでご紹介させていただきます。

それぞれの体験、それぞれの記憶・・・。

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1945年終戦後のことだった。

朝鮮半島・釜山で家族と一緒に本土への引揚船を待つ間、16歳になったばかりのT少年が気になっていたのは港側にあった娼館で、男たちは「ピーがいる」と噂していた。

ピーとは、戦地から戻って来た慰安婦のこと。

日本人皆が大変な時にどうなのかという気持ちもあったが、血気盛んなT少年は性欲を抑えることができず、ある日こっそりと金銭と食料を持ち、ピーのいる娼館を訪れた。

「普段はそこら中が汗やニンニクの臭いでしょ。そこは甘い匂いがしてね。登楼する前から勃起していたよ」

T少年に付いた女性は南方から戻って来たという太った朝鮮の女性だった。

「初めてだってすぐに分かったんだろうね。まだ16歳だったからねぇ」

女性に早口でまくしたてられた。

「アイゴー、ソコ違ウヨ! 痛イヨ!」

「怒られてばかりだったよ。初体験だったけど何も分からなかったねぇ・・・」

それから1年後のこと、T少年はなんとか日本に戻ってこれたという。

※2007年11月、東京在住Tさん(当時76歳)から聴いた話。

(文:木之下秀彦)

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