【異人伝】歌舞伎町のきなこさん

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【異人伝】歌舞伎町のきなこさん

現代には、さまざまな異人が存在する。そう、この街にも・・・。

目撃談や直接取材とともに、そんな異人たちに迫っていこう。

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かつて『横浜メリーさん』という白塗り化粧でフリルドレスの異様な姿をした女性がいた。

そんな彼女と同様に白塗り姿で、西武新宿線駅前に立ち続けたもうひとりのメリーさんがいた。

それが『歌舞伎町きなこさん』である。

“きなこ”とは通学途中の学生が付けたあだ名だ。

筆者は、西武新宿コンコースに佇む彼女にインタビューしてみたことがあるが、そのやり取りをご紹介しよう。

——何時頃から立ってるんですか?

「うーん、2001年頃から」

——何をしてるのでしょう?

「色々、国家の仕事をしています」

——国家の仕事?

「・・・それに、たまにお金をくれる人がいるし」

——何もしないで?

「・・・うーん」

——お家はあるんですか?

「今は屋根のないところで住んでますけど・・・」

同じ駅前のホームレスと思われる男性に文句を付けられてしまい、取材を断念した。

まとめると彼女は男性からお金をもらうホームレス。(そういう仕事? 娼婦?)。周囲のホームレスが監視している。しかしホームレスとはいえ、ほんのりとリンスと化粧の香りがしたことを付け加えておこう。

だが、2010年頃、彼女の姿は忽然と消える。消息を調べ、福祉事務所へ問い合わせると「ご病気で倒れ、家族に引き取られました」と個人情報の壁もありながらも教えてくれた。今は見ることができない。

(文:木之下秀彦)

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