[プチ鹿島のオヤジジャーナルどっと混む]

中国の”一人っ子政策見直し”が日本にもたらす影響とは|プチ鹿島コラム

Photo by We Make Noise

 中国が30年以上続けていた「一人っ子政策」を廃止し、二人までならOKにしたというニュース。いろいろ記事がありましたが、なるほどと思ったものが2本ありました。まずこちら。

『知られざる「一人っ子政策」残酷物語 強制堕胎、罰金、家財没収、解雇……ついに廃止が決まった一人っ子政策が残した傷を、SNSの海から拾い上げる』(ニューズウィーク・11月5日)

 高齢化社会や性別人口のアンバランスを招いた一人っ子政策をなぜ早く廃止できなかったのか?記事では「巨大な罰金利権が一人っ子政策を存続させた」「官僚国家の病」と書いていた。この政策を守るために巨大官僚組織が形成され、その仕事は「ルール」を破る人間がいないか見張る役目。

《たんに2人目の子どもを産んだら罰金というだけではない。出産許可書を取得しないままでの出産を罰したり、あるいは地方自治体が定めた避妊手術目標数を達成するために、村々に対象人数を割り振って強制的に手術するといった蛮行もしばしば行われた。目標達成のために未婚の女性に不妊手術を行ったとの事例まで報告されている。》

 罰金は国庫に上納される規定だが、実際には大部分が地方自治体の財源になっていた、という。記事はこのあと一人っ子政策によって人々がどのような傷を負ったのか中国のSNSのつぶやきを集めて紹介していた。さて、もう一本は、

『“中国二人っ子”日本直撃 紙おむつ爆買いさらに増加か』(東スポWeb・11月7日)

 日本企業に就職した30代の中国人男性がコメントする。

《中国では日本の紙おむつが人気。中国で国内製品を買うより3倍ぐらい高いのに、日本に来た中国人がどんどん買い占めていく。僕は(一人っ子政策の対象外とされる)少数民族なので妹がいるが、妹が友達に譲るからと定期的に中国に送らされている》

 これに関しては私も実体験がある。去年妻がドラッグストアで日本の特定メーカーの紙おむつが常に売り切れていると話していたのだ。ちょうどその頃、日本の紙おむつを買い占めて中国へ送ってビジネスにしている人間がいるという報道があったのでよく覚えている。この話には続きがあり、ある日だけドラッグストアに紙おむつがあったという。新型iPhoneの発売日だった。「あっちに並ぶのに忙しかったのでは?」と妻は言っていた。信じるか信じないかはあなた次第である。

 最後に、中国は「一人っ子政策」は廃止しても、南シナ海での「駄々っ子政策」は廃止しないのか?と思ってしまう今日この頃です。

著者プロフィール

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。

ピックアップ PR 
ランキング
総合
連載