3000人調査で「男女の心臓は構造に大きな違いがある」と判明

| Suzie(スージー)
3000人調査で「男女の心臓は構造に大きな違いがある」と判明

私たち人間は、子どものころからずっと、男女の違いを意識して暮らしてきました。

男性の方が一般的に腕力が強かったり、女性は分娩の痛みにも耐えられるくらい痛みに強かったり、両者の違いは並べ出したらきりがありません。

しかし病気に関しては、男性か女性かで治療の仕方が違うということはなく、がんでも心臓病でも同じ治療がされています。

ところが最近の研究によって、男女の心臓は構造上の違いがあり、加齢とともにその違いが顕著になるため、治療の仕方も変えざるをえないという研究結果が出たそうです。

■3,000人を調査して心臓の違いが判明

この研究結果は、約10年にわたって3,000人近くの成人を調査してはじめてわかりました。研究では、心腔のひとつである左心室に焦点を当てたもの。左心室は、酸素を豊富に含んだ血液を心臓から体へと送り込むポンプの働きをしています。

年を取るにつれて、左心室が血液を送る能力は低下します。しかしこの機能の低下が、性別により違うことがわかったのです。つまり男性の場合、左心室付近の心筋は年を取るにつれて、大きく肥厚していきますが、女性の場合、この心筋の大きさは変わらないか、収縮するというのです

■心臓病治療を男女によって変える必要

なぜ男女によって違いが起きるのかは、まだはっきりとはわかりません。しかしこの非常に興味深い男女の不一致の原因が明確になった場合、心臓病患者の治療を男女によって変える必要が生じるかもしれないと研究者たちは考えています。

メリーランド州ボルチモアの名門、ジョン・ホプキンス大学医学部教授であり、同大学心臓血管研究所所長のジョアン・リマ氏は、「この研究結果により、心臓病の病態生理は男女によって違うことと、こうした生物学上の違いに注意を向けた男女それぞれの治療が必要なことが実証された」と述べました。

■心臓MRI(磁気共鳴画像法)での検査

この研究では、初めて長期にわたって左心室の構造や機能を観察するために、心臓MRIを使いました。

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