「本番ができる」
こんな誘い文句と美女の写真に誘われてついて行ったら出てきたのは、トンデモない醜女だった──。 夜の街では、ありがちなボッタクリの手口だが、恐喝犯として逮捕された女の映像がありふれたニュースを全国区にした。
今年9月、新宿・歌舞伎町で被害者の男性（24）から〝プレー代〟として2万9000円を騙し取り、キャンセル料名目で5万円を脅し取ったとして警視庁が、恐喝容疑で逮捕した下谷内雪江（30）。100キロ以上はあろうかという巨体にふてぶてしい面構えをした女はその〝個性的〟なルックスをフル活用し、同様の犯行を繰り返していたという。
「今年1月から9月にかけて歌舞伎町で同じような手口で450件の被害が報告されている。古典的なぼったくりの手口で、多くの被害が決まったレンタルルームで報告されている。組織ぐるみで客をはめていた疑いもある」（捜査関係者）
名古屋に都内の半グレ集団が流出して荒稼ぎ
事件は「フライデー」12月5日号（講談社）でも取り上げられているが、同誌はさらにこうした「ぼったくり」の被害が歌舞伎町以外の街にも広がっている点に言及。
「今年の夏前から新橋や池袋、そして名古屋に移動していた」
というのだ。
これらの場所では、一時、歌舞伎町を席巻したぼったくりキャバクラのほか、「やっつけ」と呼ばれる冒頭のような悪徳フーゾク業者も出没しているという。詐欺まがいの悪質な行為に手を染める輩の背後関係は明らかになっていないが、ターゲットとされた街のひとつ、名古屋の繁華街では不穏な話が流れているという。
「クラブやキャバクラが集中する『錦三（きんさん）』と呼ばれる盛り場に、今年の春ごろから都内で活動していた半グレ集団が入り込んできている。ぼったくりバーをやって、荒稼ぎしているらしい」（地元関係者）
夜の街での異変が起きたのは、歌舞伎町のぼったくりが一掃された時期と前後しており、歌舞伎町で〝商売〟していた連中が流れ込んできた可能性も指摘されている。
地元ではさらにこんな声も上がっている。
「いまは山口組の分裂騒動の真っ最中。それに名古屋は司忍6代目組長の出身母体である弘道会のお膝元だ。それだけに、入り込んだ半グレ連中が分裂騒動に絡んでトラブルを呼び込まないかが心配だ」（先の関係者）
時期が時期だけに、新たな火種になりかねない。
（取材・文／浅間三蔵）