いやはや総攻撃の様相だ。和田アキ子が大晦日の「NHK紅白歌合戦」に出場すると発表されてから、いや出場予想の段階から、ありとあらゆる批判が雑誌やネットに渦巻いた。
いわく、
「和田アキ子は、ヒット曲も無いのに紅白に出つづけている」
「綾瀬はるか司会のバーターで(同事務所の)和田が出場できたんだろ?」
「(復帰する)小林幸子を批判しまくっていた和田アキ子の心中はいかに」
あげくに<紅白出場の選考に疑問の残る歌手>アンケートでダントツ1位(35.1%・ガジェット通信調べ)を取り、他局の番組での不遜な言動も批判の的にされる始末。とにかく皆が、現在の和田の実績・実力が地位に見合ってない、と言う。
まるで<和田特権を許さない市民の会(略称・和特会?)>でも結成されたのか?と見紛う勢いだ。
そこで……あえて和田アキ子を擁護してみようと思う。<和田批判しばき隊>では頭が悪そうなので、あえて裏番組にかけて「和田アキ子を笑ってはいけない」と。
「NHKの使いやあらへんで! 和田アキ子を“笑ってはいけない”」
(Q1) 実績(売上)が無いのに紅白に出場し続けている!
A.毎年、CD売上枚数の上位から出場が決まっているワケではない。CDはコレクターズアイテム化して久しく、老若男女に見てもらう紅白では別基準を設けるのは当然。お年寄りが楽しめる演歌歌手などを出すため、和田は率先して<売れてないのに>出場しているのではないか?
(Q2) ホリプロが綾瀬はるかとバーターで売り込んだのだろう!
A.ある記事で「紅白はJ事務所とB系歌手の独占状態」と書かれていたが、だからこそホリプロ勢が一人でも増えることが、バランス的に望ましいはず。弱小事務所にも道を開くために、和田は<バーターを使ってでも>巨大派閥に割って入ったのではないか?
(Q3) 小林幸子を批判しまくっていたのに、復帰にはノーコメント。
A.小林が紅白から外されたのは、仁義を欠いた行動が芸能界のドンの逆鱗に触れたから。和田はドンの尻馬に乗ったように見せかけつつ、自らが更なる批判対象になることで<小林は和田よりマシ>と世論を形成し、小林幸子の紅白復帰をアシストしたのではないか?
若手に偉そうな口を叩き、時に泣かすのは、彼らの成長を願ってのこと。
『アッコにおまかせ』がBPO(注1)から勧告を受けたことを番組内で触れなかったのは、表現の自由を守るため———と思えなくも、ない。ちょっと無理があるかも知れないが。
「ぜんざいに塩を入れすぎると辛くて飲めない。塩がゼロでは甘ったるくて、これも飲めない。”悪”とは、この塩のようなもの」(松下幸之助)(注2)
塩は必要であり、笑ってはいけない。ただ、いま多くの人が<塩加減>がキツ過ぎると感じ始めた。紅白では、いい塩梅(あんばい)になってくれてればいいのだが。
(1) BPO…「放送倫理・番組向上機構」
(2) 松下幸之助…パナソニック創業者にして「経営の神様」。
著者プロフィール
コンテンツプロデューサー
田中ねぃ
東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ