『クラブW杯』日テレ”視聴率”主義で混乱の舞台裏…澤穂希にも非難の矛先が

Photo by Leo Hidalgo (@yompyHERE)

 世界中のサッカーファンを魅了したクラブワールドカップが閉幕した。

 12月20日に行われた決勝では、欧州王者のバルセロナが期待通りの強さをみせつけ、南米王者のリバープレートを撃破。大会中に尿管結石を発症した“主役”メッシと、出場が危ぶまれていたブラジルのスター、ネイマールが揃って出場を果たすなど、商業的にも大成功に終わったといえる。

 ただし、その舞台裏では取材にあたるメディアからブーイングも漏れていた。

引退をバルセロナの準決勝の日に発表で大混乱

 槍玉に挙がったのは、全試合の中継を担った日本テレビと大会期間中に電撃引退を発表した「なでしこジャパン」の澤穂希(37)だ。

「澤は、大会に参加するチームの中で最も注目度の高かったバルセロナが初登場する12月17日の準決勝に自身の引退会見をぶつけてきた。そのため、サッカーの担当記者らは、会見取材とクラブW杯の取材を掛け持ちせざるを得なくなったのです」(スポーツ紙記者)

 澤が会見を行ったのは、新横浜駅近くにある日産スタジアムから遠く離れた東京都千代田区の会場。長距離移動を強いられるハメになった記者からは、

「よりにもよってなんでこんな日に」

 と悲鳴が上がったという。

 しかも、この日は、日本サッカー協会の定例理事会が行われる日。Jリーグに絡むイベントは開かないのが通例となっていたともいい、「協会関係者からも非難ごうごう」(先の記者)だという。

 女子サッカーをW杯優勝に導いた立役者にしてもなんとも「KY」な対応だ。実は、そこには、クラブW杯を放送した日テレの思惑が絡んでいたという。

「日テレは引退を表明した澤と大会の顔であるメッシとの対談を目論んでいた。ともに世界年間最優秀選手に贈られるFIFAバロンドールの受賞者であるため、『バロンドーラー同士の対談』として華々しく放送したかったようだ。しかし、メッシが17日の試合を尿管結石で欠場し、そのプランは実現しなかった」(事情を知るメディア関係者)

 視聴率を稼ぎたい放送局の論理に振り回された格好の澤。引退会見後は日産スタジアムに顔を見せ、ゲスト出演者の明石家さんま(60)らとトークを繰り広げてお茶を濁した。

「日テレは前回のクラブW杯でもやらかしている。試合後のメッシを無理矢理引っ張り出してきてさんまと絡ませたことで、あわや放送事故という険悪ムード全開のインタビューを放送してしまった。事情を知らない視聴者からはトンチンカンな質問をしたさんまへの批判が集中したが、非がお粗末な対応をした日テレ側にあったのは明らかだ」(先の関係者)

 2016年も日本での開催が予定されているクラブW杯。次こそはスッキリとした形で終えてほしいものだ。

浅間三蔵
1978年、神奈川県生まれ。大学卒業後、大手新聞社に入社。社会部記者として警視庁や司法関連を担当する。震災を契機に独立し、現在はフリージャーナリストとして週刊誌などで活躍中
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