慰安婦問題、韓国と妥結しても北朝鮮が登場する

| デイリーNKジャパン
慰安婦問題、韓国と妥結しても北朝鮮が登場する

今日、従軍慰安婦問題をめぐり日韓外相会談が行われる。どんな内容になるにせよ、当事者が納得できる結果が得られるなら何よりだ。

慰安婦問題は重大な人権問題であり、人権は、何より優先されるべき問題だ。だから「日韓が政治的に仲直りするために慰安婦問題で妥結する」のではなく、「人権問題を前進させることにより、日韓関係がより良くなる」ことが大事なのだ。

これは、日韓関係だけでなく、ほかのあらゆる国際関係について言えることだ。そこにはもちろん、北朝鮮も含まれる。北朝鮮は最近、慰安婦問題をめぐる日韓の動きを見ながら、「南だけでなく北にも慰安婦はいる」「慰安婦問題は日韓の駆け引き材料ではない」との主張を繰り返している。

もちろん、「北朝鮮当局の言うことが信用できるのか」「人権についてまともに話し合える国ではない」との声があるだろうし、そもそも北朝鮮は、日本に対し慰安婦問題を正式に提起したことはない。

しかし、今後の日朝間の交渉で北朝鮮がどう出てくるかはわからない。また少なくとも、広島と長崎で被爆し北朝鮮の帰国した人々だけが、日本の在外被爆者援護制度から除外されたままなのは確かだ。

北朝鮮の体制がとんでもないからといって、そこに住む人々の人権までが軽視されるべきでないのは言うまでもない。それに、北朝鮮がこれらの問題を「外交戦術」として駆使してきた場合に備えるためにも、日本側の人権に対する立場に矛盾があってはならない。

日本政府はEUとともに、北朝鮮の人権侵害の責任追及を求める国連決議を推進し、今月17日に圧倒的多数で採択された。その決議のベースになっている「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)」の最終報告書(以下、国連報告書)では、北朝鮮による拉致や強制失踪の被害者は「20万人を大幅に超える可能性がある」と指摘されている。

人数がこれほど膨大なのは、日本人拉致被害者のようなケースだけでなく、帰国運動で北朝鮮に渡った元在日朝鮮人や日本人配偶者が含まれているからだ。拉致被害者と帰国者では発生原因がまるで違うが、人権の観点で見れば、その被害の重大さは同様のものとなる。

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