視触覚クローンは、触覚情報と視覚情報の3次元的なクローンによって、相互作用する新しいシステム。離れた場所にいる二人が、素手、裸眼でお互いに触れ合うことができる。2つの離れたワークスペースの光と力の場所はお互いに複製・転送され、共有される。一方のワークスペースに存在する物体の視覚的クローンは、他方のワークスペースに再現される。そして実物とクローンが接触すると、その実物と、クローンにもとになっている物体の両方が接触力を受ける。まさに未来の技術だ。
接触力の再現は、空中超音波によって再現される。実物とクローンが重なっている領域に超音波のエネルギーを集中させると、実物は放射圧を受ける。その実物が自分の指であれば、その指はクローンとの接触力を感じることになる。同時にもう一方のワークスペースでは、クローンの元になっている実物が同じ力を受けるという仕組みだ。
接触圧は1平方センチメートルあたり10gf(100mN)までで、実物の接触とは異なる。そのため、例えば10N以上の力で握る握手を忠実に再現することはできない。また力の方向も原則として面に垂直な力に限定されている。だが、接触点の位置や接触領域については実際の接触とほぼ同じだ。接触の状況を限定すればそれなりにリアルな接触感を再現することができる。軽く触れられれば軽く触れたように感じるし、手を重ねて撫でると、手の存在や凸凹までも感じ取ることができる。
もはやここまで技術が進んだ視触覚クローン。東京大学で研究されている。実用化はまだされていない研究段階だが、これが実用化されるとどのような未来がやってくるのだろうか。まさに未来の技術で、21世紀のテクノロジーだと言えるだろう。