伊福准教授はセルロースナノファイバーを発見した矢野教授の元で学び、カニと植物の主成分が類似していることから、キチンナノファイバーの抽出に成功したという。鳥取の境漁港では、カニ殻に注目が集まっているのだ。シート場にしたキチンナノファイバーを樹脂の原液に浸すと、透明になってくれる。キチンナノファイバーは鋼鉄なみに硬く、熱にも強いためスマホ画面にも応用できるという。伊福准教授は、金を払い廃棄していたカニ殻が、金を生み出す素材になり、地域の経済を活性化できると期待して取り組んでいるという。
伊福准教授はカニやエビの殻に含まれるキチン質をナノファイバーの形状で大量かつ低コストで製造する独自の製法を開発した。これらは特許も取得している。得られるキチンナノファイバーは10~20nmと細く、測定不可能なほどに長く均質であり、分散性に優れているもの。高結晶性の繊維であるため、高強度、高弾性、低熱膨張であり、化学的な変性を受けないのが特徴。キチンナノファイバーはキチン・キトサン特有の優れた生体機能を持っており、化粧品や食品分野への展開が期待できる。
競合との比較や優位性としては、エレクトロスピニングから得られるナノファイバーよりも1桁細い。セルロースナノファイバーと同等の物性を持ちながらより簡単に1時間で製造可能。セルロースナノファイバーにはない生体機能を豊富に備えている。キチンは水に不要であるが、ナノファイバーは均一に分散可能で成形や加工が容易。化学変成によりキトサンナノファイバーに変換可能で、アスペクト比の制御も可能。
スマホにも使えるとのことで、身近な新しい素材として活躍が期待される。まさに21世紀の新素材だ。