『蝶々夫人』も谷本さんにとって大切な舞台だ。とはいえ、ヒロインの蝶々夫人はソプラノが担当する役。彼女が演じるのは、侍女スズキだ。
「蝶々さんと同年代の女性で、ずっと舞台上にいる役なんです。だから蝶々さんの哀しい想いやつらい境遇を知っているし、同時に世間が彼女をどう見ているか、事態がどう進んでいるのかも全部知っている。脇役ではあるけれど、スズキがいなかったらストーリーも成り立たないくらい難しい役です。去年演じたのですが、体力的にも精神的にも鍛えられました」
谷本さんの好演はメディアにも取り上げられ、高く評価された。2月と3月にもスズキを演じる公演予定があり、ブラッシュアップして臨むつもりだ。
「もっともっとディープなところまで掘り下げて、じっくり取り組める役だと思うんです。あとから〝谷本綾香はスズキ役で有名になった〟と言われるように、頑張りたいです」
出演:谷本綾香(たにもと あやか)
1987年三重県伊賀市生まれ。2005年英国王立音楽大学声楽専攻に入学。2011年英国王立音楽大学大学院を修了。2012年より王立スコットランド音楽院オペラ研修所に在籍。ロンドンのオペラ・ホランドパークやフランスのオペラ・ドゥ・ボージェの専属オペラ歌手として活躍するほか、コンサートやリサイタル公演に精力的に取り組んでいる。