天才テリー伊藤対談「世良公則」(2)「下町ロケット」の撮影で苦労されました?

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天才テリー伊藤対談「世良公則」(2)「下町ロケット」の撮影で苦労されました?

テリー その世良さんの熱心さに、スタッフは大喜びだったんじゃないですか?

世良 そうだったみたいですね。ですが悲しいかな、ドラマは放映時間が決まってまして、ヒール軍団の場面は、尺の調整の際にわりとカットされてることも多かったんです(笑)。

テリー ありゃりゃ、そうだったんですか。

世良 だからこそ、どこがどうカットされても貴船という人物が伝わるように、自分がいる場面では全力で取り組もう、アイデアを注ぎ込もうと努力していったんです。ですから、セリフ一つにしても僕の考えを伝えて、話し合いながら細かく決めていきましたよ。

テリー その努力が実った場面はありますか?

世良 人工心臓を移植した患者の容体が急変して、未熟な研修医が心臓マッサージをしてしまったために人工心臓が壊れて、患者が死んでしまうシーンがあったんですけれど‥‥。

テリー 8話のラストだ。

世良 実はそこは台本では「貴船、駆けつけて愕然とする」とだけ書かれていたんです。でも僕は監督に「2秒だけ時間をください」とお願いして、「何をした! お前らいったい何をしたんだ! このバカどもがーッ!!」というセリフをそこに入れさせてもらったんですよ。

テリー それはどういう意図だったんですか?

世良 仮に前のシーンがカットされたとしたら、医者としての貴船のテンションが視聴者に伝わらなくなるのでマズい、と思ったんですよ。ふだんは無表情で冷徹な人間が、感情をあらわにする瞬間というものをどうしても入れておきたかったんですね。

テリー その場面はカットされず放映されましたね。

世良 ええ、使っていただけたなら、狙いがうまくいったということなので「よかったな」と。

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