年俸制だからって諦めてない!? 年俸制でももらえる残業費とは

| フレッシャーズ

最近、給与体系に「年俸制」を導入する会社が増えています。年俸制には仕事の成果で給与を決められるといったメリットがありますが、多くの人が「年俸制は残業代が支払われない」と誤解しています。この記事では、年俸制のしくみと残業代の関係について説明します。

■「年俸制」のしくみ

そもそも、「年俸制」とはどのようなしくみなのでしょうか。年俸制は、給与の額を年単位で決める、労働者本人と経営者との話し合いによって毎年の給与の額が変動しうる、といった特徴があります。注意したいのは、年俸制とはあくまで給与の額の決め方であり、1年間のうち何時間働いてもその金額しかもらえない、という意味ではありません。実際に、労働基準法では「法定労働時間以上の労働をした場合は年俸とは別に割増賃金を支払う」と定められています。そのため「年俸制は残業代が支払われない」というのは間違いです。

■「固定残業代制度」を利用した年俸制

会社にとって年俸制を導入するメリットのひとつが「人件費の変動が少ない」という点です。社員の給与を年額で決めることによって、その年の人件費を明確にし、予算が立てやすくなります。しかし、年俸制でも残業代の管理は必要なため、どうしても月々の人件費の計算が煩雑になります。そこで便利なのが「固定残業代制度」です。これは、1カ月に想定される残業時間から残業代を割り出し、基本給に上乗せして支払うという制度です。この制度を利用すると細かい管理を省きつつ、労働基準法に違反しない年俸制を実現できます。ただし、固定残業代制度を導入するためには、基本給と残業代の区別を明確にして経営者と労働者双方の合意が取れていること、1カ月に想定される残業時間を明確に定めること、残業時間が想定を超えた場合にその分の残業代を別途支払うことなど、細かい規則が必要になります。基本給と残業代の区別があいまいだったり、労働者と合意が取れていなかったりする場合は違法となります。

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