オダギリジョーがフジドラマ不振を挽回?「重版出来!」で再評価されたワケ

Photo by Thomas Leuthard

 かつてフジテレビのドラマ「家族のうた」や「極悪がんぼ」に出演して、低視聴率と世間の酷評に苦しんだオダギリジョー(40)。当時、一部で戦犯扱いされるほど酷評を受けたが、今回のドラマ「重版出来!」(TBS系)の演技が再評価されている。黒木華(26)が主役・黒沢心を演じる「重版出来!」。火曜22時の枠で放送され、平均視聴率9.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。

■久々の”ハマり役”に絶賛の声も

 オダギリが今回演じるのは、松重豊(53)が演じる編集長・和田靖樹を支えるクールな副編集長・五百旗頭敬。第1話では、マンガ雑誌「週刊バイブス」編集部に配属されたばかりの黒沢を、30年にわたって漫画界の第一線で活躍する三蔵山龍の元へ引き連れていくも……そこで働くアシスタントが事件を巻き起こす。

 オダギリの演技について、ファンの評価は上々。オダギリの頼れるイケメン編集者の姿に「かっこよすぎて倒れそうになりました」などと女性ファンの黄色い悲鳴が多数出たことはもちろんのこと、「ハマり役」と絶賛する声も。元々、役者として高い人気を誇っていたオダギリだが、本作を通じて再評価されそうだ。

 過去にオダギリは、不振と非難にあえいだ時期がある。2012年4月には、日曜21時台のドラマ「家族のうた」では主役のミュージシャン・早川正義を演じるも、2話以降に視聴率が3〜4%台に低迷。第8話で打ち切りとなり、一部視聴者から戦犯扱いを受けた。

「家族のうた」の2年後、2014年4月には「極悪がんぼ」に出演。同作は当時、月9史上最低の全話平均視聴率(2016年に「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」が更新)と過去最低視聴率という不名誉な2冠を達成している。

 2作連続して不振の憂き目に遭って以来、オダギリはフジのドラマにまだ再参加していない。「極悪がんぼ」からちょうど2年後経った今回は、フジテレビではなくTBSで、「孤独のグルメ」の松重豊や「下町ロケット」の安田顕ら実力派が名を連ねる「重版出来!」に参加。ファンから熱い評価を受けている。

「『重版出来!』は脚本や演出が丁寧で、よく見ると実力派の役者揃い。何気にフジの月9より豪華なメンツです。『下町ロケット』や『半沢直樹』などでドラマの好調が印象的なTBSだからこそ実現したのかもしれませんね。オダギリさんは元々良い役者ですから、力を発揮すれば自ずと脚光を浴びるでしょう」(芸能関係者)

 ドラマに出演するならTBS。今後そんな動きが加速するかもしれない。が、その前に「重版出来!」は、19日の第2話からカンテレ・フジ系列のドラマ「僕のヤバイ妻」(初回2時間SP)との直接対決が待っている。はたしてどんな結果になるのだろうか……?

文・橘カイト(たちばな・かいと)
※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。
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