お子さんが言うことを聞かないとき、悪いことをしたときなどは、怒鳴ったり、時には叩いたり、おやつや食事を抜きにしたりなどの罰を与えることもあるかと思います。とくに、お母さんが忙しいときや疲れているときは、ついイライラしてしつけとしての罰も行き過ぎてしまうことがあるかもしれません。
しかし、行き過ぎたしつけとしての罰は“虐待”となり、刑事罰や親権停止・喪失の対象にもなるのです。つい最近のニュースでは、父親が幼い子どもを罰としてプラスチックケースに入れて押し込んで死なせたという衝撃的な事件もありました。
そこで今回は、どこからが“虐待”のラインなのか、また、実際虐待を行った場合に両親にはどんなペナルティが待っているのかという点を弁護士の観点から解説していきます。
■しつけと「虐待」の違いって?
まず、「虐待」は
(1)身体的虐待(殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、部屋や狭いところに拘束するなど)
(2)性的虐待(子どもへ性的行為を行う、性的行為を見せる、子どものわいせつな写真を撮影するなど)
(3)ネグレクト(食事を与えない、子どもをひどく不潔のままにさせる、自動車内に放置するなど)
(4)心理的虐待(言葉による脅し、無視、子どもの前でDVを行う、きょうだいへの虐待行為を行うなど)
の4種類に分類・定義されています。
一方、現在の法律では子どもに対するしつけの定義はありませんが、親権者は、子どもの監護・教育に必要な範囲内での懲戒を行うことが認められています。学校の先生と違い、体罰が一律に禁止されているわけではありません。
したがって、子どもにけがを負わせない程度に軽く叩く程度であれば「虐待」には当たらずしつけの範囲と認められ得ますが、子どもの身体の安全、生命、健康、健全な精神的発育を害するような行為(親として通常すべきことをしないことを含む)はしつけではなく“虐待”となるでしょう。