あなたは気づいてた? 横断歩道の両端にあった「縦線」がなくなった理由

| 学生の窓口

普段なにげなく通りすぎている横断歩道。ですが、実はみなさんの生まれるちょっと前あたりにデザインが変更されたという歴史があります。1992年11月に法律が改正されて以来、それまでの横断歩道にはあった「両端の縦線」のないデザインになったのです。今回は縦線が無くなってしまった理由を紹介しましょう。

■スリップ防止

まずもっとも大きな理由は、「スリップ防止」です。横断歩道の塗料って結構分厚く塗ってありますよね。縦線が入っていると四角い枠のような状態になり、その中に水が溜まりやすくなってしまいます。すると車のタイヤがその水分によってスリップを起こしやすくなってしまうのです。特に雪の多い地域では雪解けの水がかなり大量に道路にあふれることもあり、水はけのよさが事故防止につながると考えられたようですね。
車だけでなく人が歩くのにも、道路の水は少ないほうがいいはず。デザインが変わったことにより、人も車も通行しやすい道路になったと言えるかもしれません。

■見やすさ

縦線を無くしたことで、車を運転している側から横断歩道が認識しやすくなるという効果があるようです。たしかに横断歩道のしましまがすぐに見えたほうが、横断歩道があるという認識がしやすい気がします。縦線がないことで見た目もスッキリして、街並みも美しく見えそうですよね。

■コスト削減

単純なお話ですが、縦線がないぶん使用する塗料も少なくて済みます。ということは、当然コストダウンにつながるというわけです。横断歩道は一度塗装したらおしまいというわけでもありません。定期的にメンテナンスが必要になります。その際も縦線がなければ時間・コストともに削れるということになります。

街中にあふれている横断歩道ですが、そのデザインの変更には見た目のスッキリ感だけでなく、安全面・コスト面にも配慮がなされるなどさまざまな意味合いが含まれていたようです。大学生のみなさんのご両親などに聞いてみれば、たしかに昔は縦線があったはず……とびっくりされるかもしれませんよ。

文・ファナティック

ピックアップ PR 
ランキング
総合
カルチャー