6月にはいり、いよいよ梅雨の時期ですね。梅雨の時期に見られる雷。雷が多い年は豊作になり、雷が落ちた畑は作物がよく育つ、という言い伝え、大学生のみなさんは聞いたことはありませんか? 今回は雷と豊作の関係についての雑学をご紹介します。
■植物が育つのに欠かせない「窒素」
植物の成長に欠かせない成分のひとつに窒素があります。窒素、といわれてもそれがどのような働きを自然界でしているのか、今いちピンとこない方も多いかもしれません。窒素というのは生物にとって非常に重要な必須元素で、空気の約78%には無味無臭の気体として、窒素分子が安定した形で漂っています。私たち人間や動物の体の中では、アミノ酸やたんぱく質などの窒素化合物として窒素が存在しています。
一方、植物はこの窒素をどのように活用しているかというと、茎や葉を大きく育て、光合成をするために窒素を活用しています。土壌に含まれている微生物は、大気に含まれている窒素をアンモニアに変換しています。できたアンモニアは植物が利用できる形の窒素化合物に変換され、植物はそれを成長のために使っているのです。
■窒素分子をこわせるのは、雷と微生物だけ!
空気中に含まれている窒素分子は、三重結合の非常に安定した分子でこれをこわすことがなかなかできません。しかし、この分子を自然界でこわせる存在もあります。それが雷と微生物です。
雷は窒素を窒素酸化物に変換します。この窒素酸化物は雨によって空気中から土壌に運ばれます。そして植物はこの成分を自身の成長のために利用しているのです。雷が多い年は豊作になる、雷が落ちた畑は作物がよく育つという言葉は単なるジンクスという訳ではなく、科学的な根拠のある正しい言い伝えだということがわかります。
雷が大っ嫌い! という人も多いと思いますが、こわい雷も土壌を豊かにしてくれる、私たちが生きていくために欠かせない自然現象なのです。雷が鳴っても、植物がこれで元気に育ってくれるんだなと思えば、もしかしたらそれほどこわくなくなるかもしれません。大学生のみなさんも、ぜひ雷がごろごろ鳴った日には、植物がすくすく元気に育つ姿を想像してみてはいかがでしょうか?
文・ファナティック