6月5日、神宮球場での全日本大学野球選手権2回戦、富士大と対戦した亜細亜大は4-1で勝利を収めた。その試合で話題になったのが華麗な本盗。1点を追う2回2死三塁の場面で、三塁ランナーの宗接唯人(むねつぐ・ゆいと)がホームスチールを決めたのだ。打者が左という珍しさもさることながら、宗接は183センチ91キロの巨漢。本盗の前には三盗も決めており、奇策で流れを引き寄せた。
宗接の「ドドド!」と言わんばかりの激走に感化を受け、プロ野球の“ホームスチール事情”を調べてみた。
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■頭脳的な判断があった梶谷隆幸の本盗
今シーズンのプロ野球で本盗らしい本盗を決めているのは梶谷隆幸(DeNA)だ。
5月5日のヤクルト戦、1-0の初回1死一、三塁の場面から果敢に本盗を狙った。この直前には三盗を決めており、三盗→本盗のパターンは宗接と同じだ。
走機は石川雅規の牽制。石川の一塁への緩い牽制の隙を突いて、ホームに激走した。一旦はアウトが宣告されたものの、ラミレス監督の抗議でビデオ判定に。コリジョンルールの適応か、手が早かったのか球審の説明はなかったが、判定は「セーフ」。自身初の本盗を決めた。
暴走になりかねない勇気あるプレーだが、梶谷は「根拠があった」と断言。ヤクルトは前進守備の構えを見せており、二塁はガラ空き。一塁ランナーにロペスにとってはリードを大きく取りやすい状況になったことから、「一度牽制を挟むだろう」と梶谷は推測したのだ。
そして、投手の石川雅規は牽制のモーションが緩く、一塁手は本職ではない田中浩康。お膳立てが整い、さらにはコリジョン狙いで捕手のヒザ目掛けて突っ込んだ。
ひとつのプレーでここまで考えているのか。そう唸らせるホームスチールだった。