【プロ野球】”谷繁の後継者”中日・福田永将がブレイク間近

「谷繁の後継者」と呼ばれた逸材がブレイク間近

■アマチュア時代は全国制覇も果たした逸材

 シーズン序盤は1軍と2軍を行ったり来たりしていた福田永将が、大暴れしている。

 福田といえば、リトルシニア(中学)時代に全国制覇を果たし、50校前後の高校から声がかかっていたという逸材だ。その中から横浜高に進学し、ここでもキャプテン・捕手としてセンバツ優勝。2006年秋にドラフト3位で中日に入団し、「谷繁の後継者」として大きな期待がかけられていた。

 しかし、プロ入り後はなかなかブレイクできず、2012年の49試合出場、2015年の79試合出場歴が目立つ程度。レギュラー獲りまで届いていなかったのが実情だ。

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■持てる素質がようやく開眼したか!?

 今季も4月5日に1軍昇格しながら29日には降格。5月28日に再昇格も6月9日に再び降格と、なかなかリズムに乗れなかった。ところが、今季3度目の昇格となった6月24日以降は、全9試合で安打を記録。この間、30打数15安打で打率5割、4本塁打に12打点という好成績を残している。

 7月3日の阪神戦では、3回に試合を決める自身初の満塁ホームラン。試合後のヒーローインタビューでは「打ちたい、打ちたいという気持ちがでていたので、冷静に、落ち着けと自分に言い聞かせ打席に入りました」と語った。このコメントの通り、精神面で安定感が出てきたのが躍進の最大要因だろう。

 ファームでも、小笠原道大2軍監督から結果を求めすぎないようにと、アドバイスされていたという。

 この一連の猛打で、1割台だった打率は、7月3日終了時点で.328まで上昇。いまやチームに欠かせない存在となっている。

■課題を挙げるなら守備位置か

 本来はキャッチャーだった福田だが、今季はおもにサード、ファースト、レフトの守備についている。しかし、サードはケガで休養中の高橋周平が戻ってくれば、どうなるか。ファーストにはビシエドがいる。

 打撃の調子を落とさないことが大前提だが、確固たるポジション奪取も、福田の今後の課題といえそうだ。

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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