『電波少年』で、本当にいろんなロケをしましたけど、海外ロケに行くときが、一番おっかなかったですね。成田空港に着くと、腹が痛くなりましたから。当時、年に2回くらいあったんですけど、ディレクターから“体、作っとけよ”って言われると、あーそろそろ来るなって。生ぬるい体だと、本当に怪我どころじゃすまないことになったりもするんで、スタッフの人たちは、海外ロケに行く2か月前ぐらいから、合宿して、筋トレしたり、ランニングしたりと体を鍛えていたんですよ。だけど、僕はぬるーい感じでしか鍛えて行かないから、現地に行って、大変な思いをしましたよ。
なかでも、コモドドラゴンのロケはきつかった。海外ロケは基本、ADを連れて行ってないんですよね。だから、ディレクターの怒りが直で、僕に来るし、ある意味、僕がADっぽい役割だったんです。みんな寝ているのに、僕だけ火の番をさせられたり(笑)。他の番組で海外ロケに行ったときに、“うわー、なんて楽なんだ”って思いましたね。当時は、スタッフの人たちの“おもしろいものを撮ろう”っていう情熱がすごかったですからね。ただ、どうしたらおもしろくなるのかっていう明確な答えはないわけですから、ロケが終わると、毎回どんな結果だろうと怒られていましたよ。『電波少年』の、ロケ自体は地獄でしたけど、オンエアを見たら、編集でおもしろくしてくれていますし、みんなで作っていくものですから、今振り返ってみると、ある意味、楽でしたね。
それよりも、『電波少年』が終わってから、今までやってこなかったネタをひとりで一から作っていくことのほうが、大変でしたね。モノマネのネタは、家で考えることが多いんですけど、好きな人でないとできないですね。好きこそものの上手なれっていうじゃないですか。好きになると、その人になりたいなあって思うんですよね。真似すること“まねぶ”が、学ぶの語源だって中尾彬さんにおっしゃっていただいたことがあって、ああその通りだなと思いました。ただ、真似をするっていうことは、相手に対して、とても失礼なことだと思うんです。自分の真似をされたときに、ものすごい恥ずかしい思いをして、うわー、こんなことしていたのかと。やっぱり、感謝の気持ちを持ってモノマネをやらないといけないなあって思いますね。
松村邦洋「『電波少年』の海外ロケは一番おっかなかった」~“まねぶ”人間力
2016.07.12 10:30
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