殺害予告リスト。日本では、マンガや映画の中でしか目にすることがないシロモノが最近、現実社会に出回っているという。掲示されていたのは、世界4000人の実名。その中には、日本人69人の名前もあったという。その発信元は、過激派組織IS(イスラム国)。「各国政府筋も注視している」(全国紙記者) と言うから、穏やかではない。「黒一色の画面に黄色い文字で、人物名と電話番号、住所が羅列されているんです。ISは支持者に、リスト上の人物の殺害を呼び掛けており、非常に危険な状況です」(前同)
ISといえば、自分たちのプロモーション動画や、犯行予告の他、残忍な殺害現場をも動画サイトなど、ネット上で公開することでも知られる凶悪組織。最近の日本では、ニュースなどで取り上げられる回数が少なくなったが、「殺しの連続です。6月28日にはトルコ・イスタンブールの国際空港でテロを引き起こし、乗客など42人が死亡。その前日には、レバノンのシリア国境で8回の連続自爆テロ。6月13日にはパリで警官ら2人を殺害しているんです」(同)
こうした殺戮の最中での殺害リスト公開だけに、世界中に緊張が走ったが、「安倍晋三首相は、8月にサウジアラビアとイランを歴訪する予定です。目的はIS対策。ISの“陰の庇護国”ともいわれるサウジアラビアに、その壊滅の連携強化を求めようというわけで、彼らを刺激した可能性は否めません」(同)
昨年1月に日本人ジャーナリストら2人がISに殺害されたのも、安倍首相がエジプトでIS壊滅を訴えたことが契機ともいわれるだけに不安は尽きないが、この殺害リストは、さらに我々を戦慄させる。中東情勢に詳しい専門家が言う。「リスト上の人物が、各国の政府関係者や中東に関わりのある人が非常に少ないため、ISとはまったく関係のない一般市民も、標的にしていくという意思表示では」 続けて、「現在、ISが重要視しているのが“ローン・ウルフ”と呼ばれる、個人のテロ行為。これは、IS組織と直接関わりのない人が、その考えに共鳴して自発的に行うもので、誰でもテロ首謀者になりうる。当局に防ぐ術はありません」
6月13日に発生し、53人が死亡した米・フロリダの銃乱射事件も、ISに共鳴するローン・ウルフの犯行だとみられている。「殺害予告リストに名前がある人の国では、いつ、このような事態が起きても不思議ではない」(前同) 拡散するISおよびテロの脅威。この残忍な集団を止める術はあるのか?
IS発信「殺害予告リスト」日本人69名は、なぜ選ばれたのか?
2016.07.14 08:30
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