リコーが5年ぶりの開幕勝利。我慢が呼び込んだ3点差の死守。

| ラグビーリパブリック

高い身体能力に加え、抜群のセンスを備え持つリコーのSH中村正寿(撮影:松本かおり)

 トップリーグ開幕節の8月27日、秩父宮でリコーブラックラムズがNECグリーンロケッツを23-20と破り、白星発進した。小雨が降ったり、止んだりのあいにくの空模様だったが、昨年の反省を踏まえ、春に取り組んだチームディフェンス、スクラムなど成果が見られた内容。修正すべき点も明確になり、昨年までとは違ったスタートをきった。

 まずは5分、NEC陣ゴール前のスクラムを押し込み反則を得ると、NO8松橋周平が迷いなくクイックリスタートからインゴールへ。ルーキーの素早い判断はチームの意思統一が垣間見えたが、何よりも反則を誘ったスクラムの上昇は見逃せない。後半10分過ぎにも敵陣でスクラムを押し、コラプシングの反則からPGを追加するなど試合の鍵を握った。FWをリードしたSH中村正寿もチームが手応えを感じ始めているという。

「昨年は身体を大きくして、今年は組み込んでいます。自分から見ても、スクラムにかける時間がかなり増えている。ラインアウトも含めて、FWがセットプレーに磨いてきた成果が出た試合」

 フロントローは昨年あたりから若手が計算できるようになり、地道なトレーニングで個々が筋力、サイズともにアップさせてきた。さらに春から時間をかけてセットプレーを磨いてきた方向性は間違っていなかった。

 ディフェンス面も粘り強かった。NECはサンウルブズのHB団、茂野海人、田村優を軸に展開して、素早くボールをスペースに運んだが、それには規律を守り、粘り強く対処した。また、ボールキャリアに対して、場面によっては2人で対処するなど、個とチームのディフェンススキルは上がっている。ただ、前半16分には落球からボールを奪われ、自陣ゴール前のラインアウトからモールでトライを許すと、後半35分にもモールでペナルティトライを献上。LO馬渕武史主将は、「ショートラインアウトからのモールディフェンスなど、正直準備不足な面もありました。役割など明確にして、すぐに修正していかないと」と振り返った。

 その後半35分のトライで23-20と3点差に迫られ、キックオフのミスで中央スクラムを与える。

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