天才テリー伊藤対談「八名信夫」(3)悪役俳優の応募にその筋の人も来て‥‥

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天才テリー伊藤対談「八名信夫」(3)悪役俳優の応募にその筋の人も来て‥‥

テリー 八名さん自身、これまでの俳優人生を振り返ってみて、どう思われていますか。

八名 そうだな、「悪役専門になってよかった」とは思ってるよ。何せ、悪役には定年がないからね。

テリー なぜ「悪役」だったんですか?

八名 普通のサラリーマン役で1日300円もらっても、食っていけないからね。でも悪役は、早く出てボーンと撃たれて、ひっくり返れば次の仕事に行ける。

テリー そうか、その役が死んだら、もう次の現場へ行けるんですね。

八名 だから若頭ぐらいの役がいちばん大変。子分に指示ばかりして、なかなか死なないから。そういう意味では、親分役がいちばんいいよ。テーブルの上で「おい、酒持って来いや」とか言ってれば、1日か2日で撮れる。そこに健さんが入ってきてバサッと斬られたら、「はい、お疲れさん」で帰りゃいいんだから。

テリー 八名さんが悪役商会を作るきっかけは、何だったんですか?

八名 まず「悪役ばっかり集まったら、どういうもんができるかな?」っていう興味本位でね。先に東映京都に「ピラニア軍団」っていうのがありましたけど。

テリー 室田(日出男)さん、川谷(拓三)さんがメンバーでしたよね。

八名 そうそう、それと同じような感じで、「俺らは年だから、もうちょっと年配者を選ぼう」って、各映画会社から悪役をやってるヤツを集めてね。「おい、この集まりは何て名前をつけようか」って聞いたら「八名に任せる」と言うから、「じゃあ、悪役が集まったんだから『悪役商会』でええか」と。

テリー すごくいい名前ですよ、わかりやすくて。

八名 そのうちに若手の俳優もオーディションで来るようになって、年間20人ずつ採ってね、あっという間に120人ぐらいになったんだよ。

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