『オラクル流 コンサルティング』(キム・ミラー著、夏井幸子訳、日本実業出版社)の著者は、オラクル社に置いて独自のコンサルティングスキル研修を開発し、さまざまなアイデアとスキルを活用しながらオラクルの販路拡大に貢献してきたという人物。
本書においてはまず、オラクルという会社が持つ大きな特徴を紹介しています。
オラクルでは、ITソフトウェア業界で必要な技術的スキルとソフトスキルの研究を全社員に提供していて、コンサルタントが、クライアントやパートナー企業向けのどんな研修も無料で受けられるようにしているというのです。
つまりオラクルのコンサルタントが優秀だといわれるのは、競合企業も利用する教材にいち早く触れられるからだということ。
社員教育に力を注ぎ、社員の意欲と満足度の向上に重きを置いているわけです。
そんな社風に基づいて、オラクル独自のコンサルティング論を明かした本書から、「オラクルのコンサルタントの“30秒”の生かし方をご紹介しましょう。
■エレベーターピッチを徹底的に練習せよ
コンサルタントなら、エレベーターピッチを徹底的に練習することが必要だと著者はいいます。
ご存知の方も多いと思いますが、エレベーターピッチとは、自身のことや自社の製品、プロジェクトの方法論、テクノロジーなど、聞き手が知りたがることを簡潔にまとめたセールストークのこと。
この出来不出来が、製品乗っ取り弾きや口コミにつながることもあるといいます。
■エレベーターピッチは30秒間に伝える
エレベーターピッチと呼ばれる理由は、エレベーターで最上階まで上がる「30秒」ほどの間に説明を済ませられるように、いいたいことを要約するから。
そのため、どんな状況にもマッチするように、エレベーターピッチは何種類も用意しておくことが大切だといいます。
エレベーターピッチの目的は、役職名と仕事内容、そして会社の業務内容を聞き手に伝えること。そこで、十分な情報を盛り込み、最後にどんな用件か必ず伝えることが重要。そうすれば、聞き手も話しやすいわけです。