ニッポンの道路を日々ひた走り、全国に経済という“血”を巡らせる。そんな大役を担う運転手たちが、今、苦境に立たされている!!
「運賃410円だと私の会社の場合、運転手の取り分は230円。それで客を何回転もさせるのは、ちょっときついですよ」 都内で23年間、タクシーを運転するYさん(58)がボヤくのは、来春実施される運賃値下げについて。国土交通省とタクシー業界が、首都圏の初乗り価格2キロ730円を1キロ410円に引き下げようとしているのだ。この背景には、タクシー業界が慢性的に苦しむ乗客減と利益率の低下がある。
「小泉政権時代の2002年に行われたタクシーの参入規制緩和によって、あまりに台数が増えた結果、実車率(走っている車両に客が乗っている割合)が下がり、1台あたりの利益率がガタ落ちになってしまったんです。少しでも稼ごうと無理な運転をするドライバーが増えてタクシーの事故も増加したりと、いいことなしでした」(全国紙社会部記者)
14年には国交省主導で台数の減少を奨励する法律を作ったものの、景気の悪化もあって乗客数は減る一方。そこで今度は初乗り運賃と距離を下げ、高齢者や外国人客の新規需要を掘り起こそうというのだ。「客単価は確実に下がるので、売り上げをキープするには数をこなさなければならず、ドライバーは疲弊するでしょう。でも、やらなければジリ貧が続くだけですからね」(前同)
運賃値下げは業界大手の日本交通が旗振り役となったが、中小の会社のドライバーには、こんな悩みも。「大手さんは違うんだろうけど、うちはカード払いの手数料がドライバー負担なんです。値下げで外国人客が増えたらカード払いも増えて、その分、手数料も手間も増える。“貧乏暇なし”になるのが目に見えてるし、還暦前の体が持つか心配ですよ……」(Yさん)
“貧乏暇なし”なのは、トラック運送業界も同じだ。「今はネット通販が盛んになって“明日着・送料無料”を謳うサービスも増えましたが、これが運賃の切り下げにつながっています」 こう語るのは、トラック運転手の経験もある交通ジャーナリストの長野潤一氏。
「その中で大手運送会社の関心事は、安く使える車を多く手配すること。
職業ドライバーたちの「過酷すぎる実態」
2016.10.19 10:00
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